制空の部屋

空母の時代は終わった、競馬の時代だ

WoWS - 航空母艦(v0.8.0~)の制空論

 

筆者について

はじめまして、と言いたいところですがこのページを見に来たということは私のことを知っている方でしょう。

着想から早2年、普段Twitterで制空制空言っておきながら、具体的に説明したのはdiscordのVCくらいなもので、ここらできちんとまとめておこうと思った次第です。

今回より不定期更新で航空母艦の現環境におけるランダム戦の制空論について、各要素について自分なりの考えを書き連ねていこうと思います。とはいっても誰かに推敲してもらったわけでもなく正しいという保証もないですし一般空母の戯言とでも思って読んでいってください。

 

長い記事読みたくない人向け

第1回の本記事では、「制空論」の概略を見ていきます。

 

ランダム戦における空母という艦種の特殊性について

さて、多くのWoWSプレイヤーにとって航空母艦(以下、空母)という存在は「嫌なタイミングでスポットをつけてくる厄介な存在」「一方的に殴ってくる通報の対象」だと思います。また非空母プレイヤー、メインとして空母を操作しないプレイヤーからすればその運用というのはイマイチピンと来ないところがあるかもしれません。このゲームにおいてよく用いられる指標としてはWR(勝率:%)、PR(評価値)、Avg.damage(平均与ダメ)、Avg.flg(平均撃沈数)などが挙げられます。艦隊の主火力である戦艦であればAvg.damageやWRを、索敵を得意とし生存性に難のある駆逐であればWRやPR(K/Dが関与するため)が大まかな指標ですが、空母の場合まともに見れるのはWRくらいなもので、スコアとしての強さが定量化できません。

原因としは、空母ユーザーの絶対数の少なさ(他艦種と比較して)のためにそもそも平均値が信頼に欠ける、初心者の場合そもそも他艦種と操作が異なるため以上に低い戦果を出しやすい、そして環境の影響を一番受けやすい艦種であるなどが挙げられます。特にAvg.damageに関しては度重なる調整によって実装当時と別艦艇のようになった空母も数知れず存在します。(忌まわしき刷新直後の記憶)
そして、何よりの問題点は「空母」という艦種の、ランダム戦における特殊性です。水上艦は基本的にリスポーンのサイドを主軸とし、マップの3割~6割程度が影響力を有効に出せる範囲です。しかし空母は戦闘開始のその瞬間から盤面全体に干渉できる艦種でありそれは敵の空母もまた然り、つまり「局所として、敵の水上艦(場合によっては複数と)」の勝負と「敵空母との盤面争い」の2局面を並行して戦う必要があります。このマルチタスク性こそが、空母が特殊な艦種として認識される主要因ではないでしょうか。

 

さて、少し具体的な話になりますが、現環境の空母は主に「火力型」と「制空型」に大別できると考えられます。艦艇によって得意不得意はありますが、基本的にはプレイヤー依存です。火力型と制空型の思想の違いは、以下の手順の差に起因します。

 

・火力型

序盤より敵の主力艦の耐久を削り前線から遠ざける

→敵駆逐・敵巡洋の戦線が上がりづらくなり、また味方艦隊のラインが上がりやすくなる

→迅速に局地優位を獲得し、別方面が持久戦を行っている間にクロスファイアによる有効火力差を生じさせ、マップ全体での耐久差につなげる

敵艦隊の押し下げにより殲滅、あるいは耐久差を起因としてエリアの優位を生み出して点数優勢による勝利

・制空型

序盤より敵と味方の駆逐の耐久差を生み出し、敵駆逐にリスクを背負わせる

→駆逐有利によるスポットの安定と、航空支援によってエリア優位を常に維持

→逆転のために敵が前進、こちらは視界安定の中で体勢有利での砲戦を実施

視界差とエリア優勢の維持によって点数差を広げ勝利

 

結構ガバガバですがざっとこんなところでしょうか?

勘違いしてはいけないのは「火力型だからとにかく火力を出せればよい」「制空型だから駆逐を殴っていればよい」と10:0の思考を持ってはいけません。どんなスタイルであろうとも、あくまでお互いを最低限行ったうえで、残りのリソースをどう割り振るかです。(例:100のリソースを火力・制空を共に20ずつは使用し、残りはやりたい方に振る)

 

 

制空論とは、上記のうち制空型についての運用思想と影響する要素についての理解度を深め、盤面において常に最適化された選択を取り続けるための理論です。

 

 

 

 

本記事の最後に制空型の個人的メリット・デメリットを書いておくので、お好きなほうを選んでください。

「うるせぇ、俺は火力ヒャッハーしたいんだ!」
「難しいことはようわからんから戦艦乗るわ!」

という人はさようなら。

 

制空型のメリット

・とにかく勝率が安定、50戦スパンで見れば分隊平均勝率+10%は堅い。
・敵味方を比較して平均戦績が優勢なMMの場合、まず取りこぼさない。
・敵空母がやり手でも制空するので対面空母の影響力は下げられる
・視界がとにかく安定するので分隊員からウケが良い

 

制空型のデメリット

・与ダメが基本的に低くなるので戦績上見映えが悪い。
・火力で無理やり押し返すのは苦手、かなり差のある不利マッチはきつい。
・駆逐戦力への依存度が大きく、敵にユニカム駆逐多数だとしんどい。
・艦載機管理が結構シビアになる(スキルを制空に振るため)

 

次回は制空の構成要素について、2月中に更新予定です。