制空の部屋

空母の時代は終わった、競馬の時代だ

制空論(改)

タイトルの通りです。前記事のように、これまで投稿してきた記事に則った制空論で勝てる時代は終わりを迎えました。新時代に適合した、新たなる制空論をプレイに適用することが新時代の制空型空母には求められます。

本記事は以下の構成からなります。時間がない人は最終項目だけでも目を通していただけると幸いです。
※なお、便宜的にこれまでの制空スタイルを旧制空、この記事の結論でもある制空sタイルを新制空と記載します。

1.旧制空はなぜ勝てなくなったのか?
2.新制空の形において重要となる考え方(旧制空時代との差)
3.現環境において制空を行うために

 

1.旧制空はなぜ勝てなくなったのか?

まず、旧制空の影響力が落ちた理由についてです。空母型の性能はほとんど変更がないため外的要因にその理由があると考えられます。

筆者なりに思う部分をいくつか記載しました。

 

①新規実装艦の対空強化

これは原因の大きさとしては小さめですが、新規艦艇は基本的に従来より対空値(対空ダメージ、爆発数)が高めに設定されています。このゲームの抱えるビジネスモデル上致し方ない部分ではありますが、その方向性にシフトしてから時間が経過したため、現環境で対空が低い艦艇の遭遇率というのは間違いなく低下しています。

ここ最近実装されたT10ツリー艦艇として、

淀(AA持ちかつ長距離対空)
ジナン(AA持ちかつ素の対空超高、煙幕持ち)
ヴァマント(戦艦にあるまじき対空と高回転修理班)
ヴィンセント(AA持ちかつ超回復
ハウデン(最強対空)
サンマーティン(AA持ちかつ長距離対空)

レゴロやエルビンなど対空が低い艦艇も居ますが、これらは駆逐艦なのでそもそも見つけるまでの手間がかかります。(対空隠蔽は悪め)
上記にない艦艇は後々出てきます。

すなわち、以前に比べ敵方の平均対空ダメージと対空距離は増加傾向にあるため、空母側から見た際には損耗率が激しくなっており、残機管理がよりシビアになっています

1回の攻撃における難易度が上がるため、火力型に比べ攻撃機会を減らす分効果的な敵艦に対して攻撃を行う…というプロセスにおいて、さらに攻撃機会を減らす必要が生じる試合が多く、主に火力面でのマイナス要因となっています。火力型に比べ非常にダメージ量が低いだけに、割合から見た場合の影響が大きいです。

ただこの部分はプレイヤー側の力量依存が大きく、また与ダメの上限が無限とはいえ実際には理論的な上限がありそこからどれだけマイナスが発生するか…という話なので、本要因は旧制空の影響力低下の主要因ではないでしょう。

 

②潜水艦の普及と対潜爆雷機の仕様

この部分が非常に影響しています。1年前からアーリーアクセスやテスト段階として潜水艦は存在していましたが、現在は5戦やれば1~3戦は潜水艦がいる、という状況だと思います。潜水艦の厄介な点は「敵方に視界の優先権がある」という点です。例えば潜望鏡深度であればこちらから発見するためには直上に向かう必要がありますが、こちらの艦載機はスポットを受ける形になります。敵の意識外からの攻撃を行いづらくなった結果、敵が航空攻撃前に構える時間が増加しました。

加えて敵潜水艦はさらに深く潜ることで、絶対に発見されない状態に移行できます。接敵時の深度にもよりますが、直上に立つ前に潜り切ることも可能なため、空母側から能動的に仕掛け、潜水艦を効果的に仕留めるという行為は非常に難しいと思います。
※ただし味方潜水艦などと協力しての対処は効果絶大です

 

次に潜水艦は当然ながら水上艦のスポットも可能です。この部分は駆逐艦も同様ではありますが、駆逐艦は対空隠蔽を0にできないため、こちらが強制的に関与しラインを下げさせる、あるいは撃沈が可能でした。潜水艦は上記の通り干渉が難しいため視界のコントロールという面でも難しくなっています。

 

そして対潜爆雷について、これは哨戒戦闘機に対して対潜爆雷機を使用することで戦闘機を反応させ、効果時間終了より前に帰投させるというものです。召喚戦闘機による大型艦のスポットやエリアに対する防衛(以前の記事参照)がほぼ無力化されており現時点で空母は戦場において視界をコントロールする艦種とは言い切れなくなっています。

 

③航空戦艦(ハイブリット戦艦)の登場

個人的にはこちらの方が潜水艦よりも影響が大きいと思います。航空戦艦の仕様はご存じかと思いますが、爆撃機(キアサージは攻撃機)が消耗なく準備時間で使用可能です。ほぼ2分毎に航空機が発艦するのですが、この仕様は発艦時に準備時間のカウントが始まるため、実際は試合時間の3~4割は航空機を飛ばすことが可能です。この航空機は視界共有も有するため、非常に厄介です。(2と同様に視界のことロールが空母側でできない)

また航空戦艦は特性上配置が後ろよりになるため、敵の前線までの距離がやや伸びる傾向にあり、艦載機効率の低下も招きます。(これは損耗率の低下とペイオフのため、一概に悪いとは言えませんが)

 

2.新制空の形において重要となる考え方(旧制空時代との差)

 

さて、1項では空母の影響力の低下、主に視界のコントロール面での話をしましたが、ではなぜこの部分が低下することで勝てなくなるかについてです。

視界が以前より取りやすくなった、言い換えればスポットの手段が多様化したことにより、視界の安定性と隠蔽性の担保は空母対駆逐、空母対空母の対決に大きく依存する構図から、それぞれの艦種プレイヤーの技量に依存する形態へと移行したといえます。
これにより、単純に火力を効率的に吐ける(XVM的にいえば「平均ダメージが高い側」)が一方的に敵をすりつぶす展開が多くを占めるようになりました。

 

以前は味方は位置と平均ダメージを考え、抑え側と押し側のラインをそれぞれビルドし多少不利なマッチでもうまくバランスを取る…ということができましたが、現在は潜水艦・駆逐・航空戦艦・空母それぞれの視界により抑え側の隠蔽性を担保することができず、片側の崩壊を空母として止める手段がなくなったため一方的多展開が増えたように思います。

 

では新制空においてなにが必要なのかですが、これは上記した視界の安定性(攻撃面)と隠蔽性の担保(防御面)のとらえ方の改革になると思います。視界の多様化によってこのどちらもが崩れた以上考えを根本から直す必要があります。

 

まず敵味方のプレイヤーの力量については、個人で同行できる話ではないので、重要となるのは火力の強化と多様化が進んでいるなかで、フォーカスを上手くコントロールすることです。
一般的なプレイヤーは「ダメージが期待できる敵」か「撃沈できそうな敵」を攻撃する傾向があります。

そのために、旧制空のように「幅広く視界を取って選択肢を増やす」(味方が火力を出しやすい選択をできるようにする)というやり方から「落とせそうな敵を作りフォーカスを誘発する」というやり方へのシフトが必要だと思います。
この辺りは火力型空母とも共通する部分がありますね。
一方でこれを意識するだけでは火力型の劣化版のようになってしまうので、制空型独自の味付けも必要になってきます。

本項のまとめとしては
・空母が視界をコントロールする環境ではなくなった(視界の多様化)
・味方が受動的にフォーカスを行えるような試合運び
が必要であると理解いただければよいです。そしてそのためには各種兵装の使用比率と、試合全体での攻撃強度の強弱に対して旧制空よりも意識を置くことが重要になります。

 

3.現環境において制空を行うために

さぁいよいよ本題です。新制空における必要要素ですが、まず旧制空から割り引く要素を2つ挙げます。

・敵駆逐に対しての干渉比率
・哨戒戦闘機によるスポット

理由については前の項までに記載しているので割愛します。


一方で旧制空と比べて意識が必要・あるいは変える必要があるのは

・攻撃中隊によるスポット
・攻撃優先度の変更
・艦長スキル構成

主な点は上記だと思います。細かい点はまた気が向いたときに、今回は大雑把な枠組みだけ

まず艦長スキルについてですが、4Pの強化型反応速度は外したほうがいいです。ほぼ一発で対潜爆雷を追いかけてしまうというマイナス要素があり、防空面でのプラスもありますが4Pに見合うとは言えないでしょう。代わりに取る候補となるのは爆専(AP系がない空母)、近接信管、雷撃機あたりでしょうか。これらはどれも火力系のスキルとなり基本的に艦艇に合わせて程度伸ばす形が好ましいです。

 

次に攻撃(偵察を兼ねる)優先度についてですが、これは駆逐への干渉度をかなり下げましょう。視界の多様化によって駆逐の影響力が相対的に落ちており、以前よりも干渉するメリットが少なく、空母としての運用に影響してしまう分マイナス面が表れやすくなっていると感じられます。

詳細を書くとかなり細かくなるので書くとしたら別記事ですが、以前のように

「戦線に対する影響力(艦種)」+「位置取り」+「ポイントへの影響度」(ここは撃沈Pや占領など複合的)

をメインの関数とした考えから、大まかには

「位置取り」+「フォーカスのしやすさ」(ヘルスや艦種)

の関数への移行が必要になるわけです。もちろん占領されている場合のその艦艇へのスポットや防空なども無視できるわけではありませんが…
そしてこの考えによって変わるのが兵装の使用比率であり、従来より1テンポ早めに雷撃を出す必要があります。白龍はもとより雷撃メインでですが、ミッド・オーディ・リヒトなどは雷撃のタイミングを早くすることが求められてきます。これは兵装ごとの姿勢強制力の差に起因するものです。

そして攻撃中隊によるスポットですが、旧制空に比べ攻撃機会が増加することを利用し「あえて攻撃しない」時間を、言い換えれば時間と攻撃密度の空間を作ることが大切です。単艦であったり対空が低い相手を殴ればいいというわけではなく、あくまで効果的なところを攻撃する以上、それが高対空艦出ある場合も少なくありません。そういった相手に対して安定した攻撃を敢行するためにはある程度の残機が必要で、そうでない場面ではあえて抑えて中隊によるスポットを行うことがかなり効果的です。(この部分は実際に運用してみて想定以上に効果がありました)

 

概略を書いてあとから補足記事を出すつもりでしたがかなりの量になってしまいました。筆者自身まだランダムにおける試行数が足りていない部分もあるので、もう少しに詰めてから詳細を書くようにしたいと思います。

一気に書いたのでちょっと雑だったり記載が怪しい部分があるかもしれませんが、ここまで読んで下さりありがとうございました。

 

母艦の配置について

今回はそこそこ悩ましい母艦の位置取りについて

 

先に母艦位置が高い場合のメリット・デメリットを列挙します。

母艦位置が高い場合のメリット
航空攻撃のレートが高くなる
・味方艦艇との距離が縮まる→戦闘機での防空がしやすい
敵艦艇の接近を感知できる

母艦位置が高い場合のデメリット
被撃沈率の増加、被命中率の増大
・艦載機消耗度が高くなる

メリットの裏側にデメリットがあり、これらは相関関係にあります。
これらの前に、まず大前提となる誤った位置取りを理解することから始めましょう。

1,敵主力艦に対し(有効射程内で)側面を晒す

これは直感的に理解しやすいと思いますが、主力艦隊に対して側面を晒し続ける場合には単純に被ダメージ期待値が上がります。特に航空母艦のほとんどは船体装甲も脆弱であるため、戦艦砲がまともな角度で入ればバイタルに刺さる確率は高いです。

よく見るのは下記のようなパターン…

①味方の撤退に気づかず側面を取られているパターン

これは敵の前線と味方の後退線を把握できていないことが多い。航空発見を完全シャットアウトは難しいが、敵駆逐や巡洋艦によるスポットはある程度前もって感知できるはず。

 

②戦線負けしていて姿勢変更が遅れた場合

①ほどではないがこちらも注意不足。押され始める直前で敵のプッシュ方向に対して注意を払ったとしても、本当に安全と言い切れる?

 

③開幕の不注意転舵


割とよく見る。特に大和やスラヴァがいる場合に注意。空母が互いに中央スタートの場合は気を付けよう。

①、②は戦線を大雑把でも把握できていれば問題ないはず。③は開幕の不注意でしかないので後述することをやれば防げる。(超空母除く)

 

2.戦局が安定していないうちに島裏に向かう

これも結構タブーなのですが、中盤で母艦を島裏ベタ付けする空母も一定数存在します。島裏は射線が通っていない場合には砲撃に対して安全位置ですが、リスクも抱えます。

上記画像のように、味方がサイドに寄った場合の敵駆逐の中央突破の危険があります。ここで問題なのは味方が開いていることよりも、母艦が島裏ぴったりについてしまっていることです。これによって射線が切れているために敵駆逐が接近していることに気づけません。
空母戦場ですから敵航空機による母艦スポットは少なからず発生するでしょう。敵駆逐の性格次第では肉薄を狙ってくることもあるため、リスクがあるうちの母艦の島裏配置は極力控えましょう。

とはいえ、終盤の競り合いでは母艦のレートは上げる必要があり、必然的に島裏に向かうことは多くなります。島裏=NGなのではなく、あくまで不安定な戦況での、肉薄による一撃リスクを孕んだ状態でのベタ付きがNGです。

 

というわけで、上記のように迂闊な側面晒しや島ベタをなくし、程よく前に出れば母艦の位置としては次第点でしょう。

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というのはあまりに雑なので実戦例をいくつか示して読者様に具体的なイメージを持っていただければと思います。
基本的な配置・姿勢に対する考え方については以前の記事「制空領域を意識した戦線管理について」にて細かく説明したつもりですので、ここでは大まかな考え方だけ記することとします。

 

実戦例①ノーマルプッシュ(サイドから)

下記は試合開始直後、分隊含め右側スタートです。中央スタートの艦艇がこちらに多く向かったため、プッシュは8~10ライン側にする必要がありそうです。

 

上記画像から約5分、隻数の有利もありC側は押し切りました。島風の位置を細かく更新し母艦の安全を取りながらじわじわと前進します。

 

上記画像からさらに4分、だいぶ隻数が減りましたがここで敵のヴィンセントのリプッシュがあります。事前に補足・リプッシュを予期できていたので、敵の予測進路と母艦の間に島を挟み、側面を撃たれることを防いでいますね。

 

ヴィンセントを落とし切れたためさらに前進。この状態では側面を取る相手はおらず、最終決戦である中央に対して非常に好位置に母艦が付けれています。

 

片面を崩しつつ、側面ケアも忘れず安全サイドで試合を進行できた試合でした。

 

実戦例②ノーマルプッシュ(中央から)

下記は試合開始から約5分後、中央が空いており敵駆逐の位置も判明しているため転舵可能と判断しています。戦線の記事でも使った試合ですが、中央プッシュに合わせて左押しを選択しています。

 

上記画像から約4分でAサイドは決着。島風が落ちた場合、正面・側面共にかなりのスペースができてしまうため、少し前気味に母艦を進めます。正面の敵が引き撃ちなので相対速度的にも先行気味に動かすメリットが大きいと判断できます。

 

上記画像から約2分、島風が沈んだのでさらに前へ。3ラインの島に張り付き、A・Bのエリアのホールドを狙います。側面になりうるクレムリンだけ落としておけば母艦は安全ですね。

 

最終局面。ハランドに一時Bエリア侵入されましたが圧倒的航空機レートで留まることを許しません。

 

 

実戦例③パワープッシュ

次はパワープッシュの例です。パワープッシュと筆者が勝手に呼んでいますが、要するに「母艦をある程度リスクにさらしながら敵をすりつぶす」プッシュです。少し撃ち合い不利であったり形勢が芳しくない際に用います。

下記は開幕して約6分、サイドスタートなので母艦側をプッシュしたいところ…ではありますが正面に敵戦艦3枚がおり、Dエリア内にデモインが鎮座する厳しい状況です。

 

上記画像から間もなく。10ライン側の味方戦艦が中央へ転進してしまいました…こちらは分隊戦艦1枚のみで1vs3となるため、じり貧になることが想像できます。

 

戦艦のヘルスも考慮し、中央側のレピュと射線が切れるタイミングで思い切って前進。ちょうど6Eの島で遮られていますね。駆逐の位置についても戦闘機展開で踏み込めないよう制御し、中央へ逃がしておきます。

 

最終的にコンカラーと相互発見状態となり、2万5千ほどダメージを受けましたが、超回復1回使用後にレートですりつぶし切りました。粘られるととても厄介な船ですが、装甲がそこまで厚くないため高レートの攻撃には弱いですね。

 

敵の位置も確認しながら強力なプッシュ。C側でしのぎを削った空母戦も決着です。最終的にA外を取られており、中途半端に中央へフォーカスを変えていれば両サイド崩壊の危険性もあった試合でした。

 

実戦例④母艦を発見させる

最後にちょっと難しめの例を一つ。下記の展開は味方巡洋がAFKで盤面11vs12とそもそもが劣勢な試合です。キャプは2-2と拮抗ですが、D正面は敵の駆逐2隻がおり、味方1隻で消耗戦を強いるのは不利です。

 

下記の時点では航空攻撃での防衛が難しい(煙幕使用された)ため、駆逐に踏み合わせて力技で防衛を狙います。しかしジリジリ敵スモランとヘルス差が生まれていき苦しい状況となりました。

 

そこで下記の配置です。若干のリスクを含みますが、敵駆逐がDを踏もうとアクションを起こした時点で先に母艦が発見されるため、踏まれる前にスポットへ向かえます。自分で敵の駆逐を察知できるため判断も迷わなくなりますね。仮に10ラインへ回り込まれた場合も「母艦:隠蔽、航空機:発見」という状態になるため察知可能です。外側が狭いことの利点をしっかり利用した配置となっています。

 

実戦において、空母の位置取りとして「強い位置」、「強いサイド」、もっというと「空母が強いマップ・弱いマップ」というのは存在します。簡単な例を挙げれば大海原の空母は正直きついです。二人の兄弟は中盤の段階で4or7ラインに容易にたどり着けるので、片側崩壊していなければ空母の影響力が極めて大きいマップです。

パターンとして多すぎるため細かく明記しませんが、経験を積めば理解できるものです。ぜひ意識しながらランダム戦を戦っていってください。

 

最後に、空母の位置取りを意識する上で
・沈まない

これを大原則としてください。まずは安全サイドから始めてみてよいと思います。少し慣れてきたら「ちょっと前に出そうかな?」と少しずつラインを上げてください。

当然何十戦と経験を積む中で、戦艦に不意の一撃をもらったり、駆逐に予想外に詰めらたりと失敗もすると思います。それもいつかの接戦を拾うための糧になるはずです。むしろそういった失敗こそ覚えておきましょう。(実際心境的には難しいですけど

 

そして、島裏に到達すること、高い母艦ラインを取ることはゴールではありません。
・有効な位置について、どう試合に影響を与えるか?

こそが真の目的ですので、忘れずに…
何回も言いますが、攻撃を当てたりしっかりとしたスポット・索敵を行えなければ影響力は出ません。まずはそっちから練習してください。

 

あと、母艦の位置なんて野良の味方はほとんど気にしていませんし、大して影響しません。「戻れ!」とか言われても自分の考えを信じたほうがいいです。

それでは今回はこの辺りで失礼します。お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

慣性爆撃理論 

今回は筆者の長年にわたる空母運用において、最も重要でありそして筆者の異常なまでの勝率の根幹を成す理論について、記述を行います。

そもそもこの理論はミッドウェイ使用を前提としています。ミッドウェイを使用する予定のない方は読む必要すらありません。
急降下の形態を取るHE爆撃であれば応用は出来ますが、機体性能や散布界などが異なるため究極的にはミッドウェイ爆撃専門の理論です。

 

1,慣性爆撃理論とは

慣性爆撃理論とは、ミッドウェイが急降下爆撃を敢行する際の旋回性能と、標的艦の転舵性能および行動・姿勢の推移についての計算を行い、レティクル内への収容率および爆撃1回あたりの命中期待値を高めるための理論です。
基本的に散布界への着弾確率は外楕円:75%、内楕円25%で固定されており、この点についてはこの理論において操作することはできません。

 

極端に言えば爆撃散布界の100%が敵艦艇の船体に被っていれば、爆弾命中率は100%となります。(下記画像のように)

対戦艦であれば、標的艦の船体幅が爆撃機のレティクルの横幅よりも大きいために基本的に縦の軸線がある程度ずれていても、奥行き偏差と横偏差の修正でこの命中率100%を達成することが可能です。

一方で対駆逐艦の場合にはレティクルの大きさよりも標的艦の船体が小さいために、まずはその船体をすべてレティクル内に収めることが目標となります。
しかし敵艦も回避を行うために、実際の戦闘で100%船体がレティクル内に収まるケースは多くありません。

そこで、少しでもこの収容率を高めるために爆撃を行うにあたって工夫が必要となります。

 

2.爆撃散布の基本と癖について

まず、大前提として爆撃機における爆弾の着弾は「投下時点での表示レティクル内のいずれかの地点」に着弾します。

レティクルは投下のタイミング(がサーバー上で処理された瞬間)で固定されます。ゲーム中表示としてもこれは不動となります。

第3主砲下の爆発に見えるエフェクトは火災発生初期のもの

上記の例では、投下時敵の艦首~船体後部にかかっていたレティクルが、着弾時には艦後方へと移動していますが、これは敵船体が前進しているため相対的に移動しているものとなります。

また例で分かるように、着弾に規則性はなく(しいて言うのであれば先述した内:外への配分)前後左右に偏る場合もあれば満遍なく散らばるときもあります。

 

3.投下高度による散布界への影響

まずは下記の画像をご覧ください。

 

 


(詳しく見たい方は拡大してください)

前3枚はレティクルが最大収縮する内、最も高高度で投下した画像
後3枚はレティクルが最大収縮する内、最も低高度で投下した画像
※筆者操作での投下のため、実際には0.2s程度ずれていると思います。

 

検証回数が十分とは言えないかもしれませんが、見た限りでは高高度投下の方が、爆弾の落角が浅いように見えます。

この角度が異なる原因については、上記画像のメカニズムで説明可能です。爆撃機のレティクル最大収縮範囲は、投下高度に寄らず一定です。上記画像の右と左の黒色で示した三角形は同じものですが、右のように低高度で投下した際に高高度のものと同様の落角の場合、実際の着弾範囲は表示よりも小さな範囲に限定されることとなります。
しかしゲーム内の表示通り、実際の着弾範囲については同一となります。
このことから低高度で投下するほど、爆弾の落角は大きくなることが説明できます。

このメカニズムを考慮することで(この理論が正しければ)、低高度での投下におけるメリットが一つ説明できます。上記画像のように、低高度で落角が十分につく場合、水面上に出ている船体一部や艦橋にヒットする確率がわずかに上昇する、ということです。
画像はかなり極端にしていますが、実際のゲーム中においても同様のことが発生している可能性は高いです。特にレティクル最大収縮範囲よりも船体長がわずかに小さい相手に対しては効果が大きいと思われます。

上二枚:高高度での投下(投下→着弾) 下二枚:低高度での投下(投下→着弾)

ちなみに横方向のずれについては、縦方向に比べ範囲がかなり小さいため、明確な差は見られませんでした。

まとめると、小隊の最大機数での投下が見込める場合(往復しない前提)、または往復が可能な状況でかつ飛行中隊のヘルスに十分に余裕がある場合可能な限り高度を低くして投下したほうが命中期待値は上昇する、となります。

 

4.エンジンブーストによる投下高度への影響

 

まずは下記の3枚の画像をご覧ください。上から
エンジンブレーキ(Sキー押しっぱなし)
・なにもなし(巡航速度)
・エンジンブースト(Wキー押しっぱなし)
でそれぞれ爆弾投下制限時間ギリギリのタイミングでの主観です。

見比べると、機種の上がり方が明らかに違いますね。投下体制に入った直後に高度が上昇しますが、その際の到達点(高度)は一定で、その後の速度が異なるため、速度が高いほど低高度付近で投げるというのは当然です。
つまり、3節で説明したように低高度に限りなく近づけるのであれば、爆弾投下時にはエンジンブーストを使用したほうが良い、ということになります。

ただ、わずかとはいえ投下時の速度が低いほど散布界が縮小する、というメカニズムも存在します。
残念ながら執筆時点で
・降下時はエンジンブーストを使用し、投下直前はエンジンブレーキを使用する
・降下時から投下時まで一貫してエンジンブーストを使用する
のどちらが期待値が高いかの検証は行えていません。

 

また副次的な効果となりますが、着弾までの秒数が減少するため偏差も少なく済みます。(最高到達点での秒数は約2.10秒→エンブ常時使用で最短0.75秒)

 

また、急降下時は画像のように約50°で降下しますが、高度が下がり敵艦と近づいた場合には、機種が上がり水面に対する確度が平行に近づくため、相対速度が上昇します。敵艦に対してアプローチが遅れた場合にもためらわずエンジンブーストを使用しましょう。レティクルが間に合わず無駄投げになる、というのはミッドウェイでは避けたいところです。

 

5.回避する目標に対してのアプローチ位置について

上記の理論を頭に入れたうえで、実戦におけるアプローチ位置について考察していきます。下記画像は実戦における航路の概略図です。(赤線:爆撃機、黒線:艦艇)また、青色は攻撃体制に移行後、爆撃投下を行える領域とします。

爆撃機の操作性の関係上、内周側への旋回は得意ですが、外周側への切り替えはかなり無理があります。そのため投下体制へのアプローチ円は艦艇の外側から接するように描くのが基本となります。
以上を基にした旋回円の半径は下記1枚目のように示せます。

3.4章での説明の通り、可能な限り低高度での投下を目標とする場合、青色四角形のうち、最も上側で投げるのが理想となります。

 

しかし、敵艦艇が転舵を続けるとは限りません。舵を戻された場合、爆撃可能な領域の手前で円弧が直線に、場合によっては逆向きの円弧を描き始めます。

上記のアプローチでは領域の中盤が爆撃のポイントになりますが、回避を考慮した場合これは最適な形とは言えません。

 

そこで、下記画像のようにあらかじめ奥でちょうど軸が一致するよう1枚目の画像よりも外側からのアプローチを行います。(黒色:敵艦艇の転舵航路、赤点線三角:1枚目で示した際の艦載機の位置

より外側からアプローチを行うことで、先ほど示した爆撃可能なタイミング前での転舵切り替えについても対応が可能となります。

下記画像の場合、赤線がほぼ垂直に領域にアプローチしているため、左右どちらの転舵に対しても対応できます。

 

 

下記は実戦の中での爆撃の例です。

1枚目:転舵する敵に対して外寄りのアプローチ、投下の瞬間の軸線に注目

2枚目:途中で舵を変えられた場合の例、レティクルがリプレイバグで広がっていますが実際は最大収縮です。

 

6,投下時の爆弾に働く慣性力について

まず下記の画像をご覧ください。

上記は左側へマウス操作のみによる最大旋回を行いながら爆撃を行った際のスクリーンショットですが、艦載機の影を見ると中心以外の機体の中心はレティクルの外側にあります。

レティクル内に100%爆弾が着弾するため、左右の機体から投下された爆弾は、必ず左右横方向に対して落角を保有します。(内側に対して慣性が働く)

参考GIF 画質が粗いですが、右側の爆弾が内向きに角度を持っているのがわかると思います。(おそらく左側も同様)

画像は敵艦が画像右方向へ転舵している際の断面を、艦首方向から見たとした場合の図です。
敵船体は転舵方向と逆へ傾くため、図のようになるはずです。

船体側面は実際には緩やかな傾斜を有しています。そのため図のような角度に船体が傾いた場合には、左の機体から投下されるものについてヒット判定がわずかに増大します。
・本来側面の傾斜に沿って落角を持つ爆弾は水面へ着弾するが、船体が傾くことで(左側の機体から見た)見かけの船体表面積が増大します。
・右側の機体からの投下分については、当たり判定が少し小さくなるが、側面の傾きから水面付近での判定の減少幅は左側での判定増加分に比べ小さくなる。

この両サイドの判定の差より、標的が転舵している最中の方が、わずかではありますが当たり判定が大きくなります。標的艦の横幅がレティクル幅より小さい場合)

 

7,本論のまとめ

以上がミッドウェイの爆撃に関する細かな説明となります。

まとめると
可能な限り低高度での投下を目指す
・エンジンブーストが使用可能な場合には、投下体制~投下1秒前くらいまでは使う
敵が転舵による回避を行っている場合は、その転舵半径が描く円の外側からアプローチする。(当然ですが、外過ぎてもダメです)
・なるべく敵が舵を切り切っているタイミングでの投下を行う
加えて基礎的なことではありますが、
攻撃体制後はなるべくA・Dキーでの旋回操作は行わない(散布界収縮の妨げとなるため)
・一回あたりの攻撃で爆撃機3機が爆弾を投下するように、機数を管理する

 

※特に赤字の項目は、ミッドウェイに不慣れな方も意識することができると思います。

実戦では敵の回避との読み合い、対空爆発の回避などまだまだ他の要素もありなかなか思い通りの爆撃を行うことは難しいですが、これからミッドウェイを志す方、ミッドウェイを使用している方の参考になればうれしい限りです。

 

最後に、トレーニングモードでの検証に協力いただいた  mizu423 さんに謝意を述べ、この記事を締めます。

 

制空領域を意識した戦線管理について

今回は戦線管理について

 

まず、これは空母に限らずWoWSの全艦種を使うにあたって必要な判断になりますが、その方面において敵と味方のどちらが優勢かについて見極める必要があります。優勢といっても火力優勢(ヘルス)、視界の有利不利や占領エリアに関してなど様々です。

一つ一つが複雑に絡み合って戦線というものが出来上がるため、多くにフォーカスを当ててしまうと理解が難しくなってしまいますので、ここでは「制空領域」を基にした戦線の味方を書いていこうかと思います。

 

・なぜ制空領域で判断するのか?

これは単純に空母の裁量において変更できる要素が大きいからです。
例えば、「単純な火力優勢(ヘルス差)」とした場合、味方艦の狙う相手(命中率や貫通期待値)、回避の上手さなどどちらかというとその方面のプレイヤー技量・判断に左右されがちです。(空母の火力は継続的なものとしてみた場合決して高くありません)

制空領域は、(少なくともティア10以上の空母を扱う際には)自分のみに哨戒戦闘機と複数種の攻撃中隊の操作権があるため、基本的に空母手動での構築になります。

 

戦線を上手く考慮しつつ展開した試合については、筆者の過去動画に良い例がありましたのでご参考に。

nico.ms

 

・制空領域の概念と判断について

まず制空領域について、この記事においては下記の要素を軸にして考察していきます。
①味方・敵水上艦の対空砲射程圏
②高隠蔽艦の(現実的な)行動範囲
航空母艦の配置

 

これを意識するにあたって、巡洋艦の対空距離」と、「巡洋艦が対空隠蔽=対空砲射程か否か」については必ず記憶してください。(MMする可能性のあるすべての巡洋艦
戦艦の対空はたまに6.6kmのものが居ますがほとんどは5.8~6.0に収まり対空隠蔽もよくないため覚えなくてもさほど問題ではありません。強いて言うならAA持ち戦艦は覚えるくらいでしょうか。

制空優勢下の戦線の完成系は
・面押しの成功
・L字・コの字包囲の成功
のどちらかです。どちらが最適化はその試合次第なので分かりません。

 

これより実践のミニマップを交えた解説です。
※戦線については時間経過に伴う変化の可視化が必要なため、同じ試合について複数枚の画像を使用します。
※実際の戦闘は残ヘルスを含めた思考が必要ですが、複雑になるので今回は全員8~10割のヘルスと想定します。

 

ポイント:制空領域において赤を敵側青を味方側で示します。基本的に空母が有効な攻撃を行えるのは制空領域の空白地帯、または境界線付近です。戦闘機については空白地域または自軍の領域での展開(使い捨ての強行スポット除く)を行わなければほとんど役に立ちません。

 

1試合目~味方のプッシュ側に合わせて切り崩し

まず上記は試合開始4分時点でのミニマップです。そこまでラインは高くなっていません。ただ戦力分散の関係上Aの正面の撃ち合いでは味方に不利があると思われます。
C側は駆逐の位置も干渉しておらず、また外を取られかけているもののルプレヒトでは火力的な怖さは少なく、ある程度大丈夫と判断します。
上記の画像を制空領域で可視化するとおおよそ以下のイメージになります。

真ん中が空く=両サイドに敵が集中しているとも言えます。
制空領域的に気になるのはC外のスペースですが単独とはいえハランド相手、そして巡洋艦がペトロで砲旋回が遅いためスポットしても有効打はそこまで見込めないでしょう。A側は外を取れていないものの敵のメクレンが遅れており、また中央からベネチアクレムリンの進出が見込めます。この地点は序盤では不利な展開が多いのですが、今回敵戦艦が大外に回り切っているため大打撃はもらわず、Aへのアプローチが可能ですので、切り崩す方向としてAサイドを選択しました。

制空的な観点からの動きとしては
・中央が開けているため、クレムリンの過度な消耗を防ぐために防空を行う
・Aサイドへの継続的なスポット支援・航空攻撃
を行うとスムーズに展開します。

 

(上画像)これはその2分半後の戦況です。クレムリンのプッシュによって敵A内のジナンが撃沈、また島風も射程圏に収めました。不利を察して敵戦艦2隻は下がっていきます。CサイドではハランドもC内で補足、またスペースを埋めるように味方マルソーが外側へ展開し戦線が戻りました。

 

(上画像)これは上記のさらに2分後です。A上の戦艦をさらに1隻フォーカスし、Aエリアは完全に自軍のもので確定しました。クレムリンは落ちてしまいましたが、実質的にクレムリン1隻の損害で島風、ジナン、モンタナを落とせたのは大戦果でしょう。またCサイドも敵が中央に戻ったのを見てうまくリプッシュの構えを取っています。

 

最終局面では上記のようにマップの約75%の領域が自軍の制空支配下となりました。基本的に65%以上を取れた試合というのは負けません

筆者の試合中のアクションとしては
1枚目~敵駆逐2隻(島風・ハランド)のスポット、ナポリプッシュへの対応
2枚目~中央の防空対応、敵ジナン・島風への火力支援
3枚目~Aサイドの敵戦艦への追撃、BC艦の敵スポット
となります。Aサイドを自軍で固定し、Aの戦力をうまくB~Cに向けられるように、スポットでの支援を行っています。クロス位置を取れない地点まで敵戦艦を下げることを忘れてはいけません。

このケースのように両サイド(≒全戦線)が拮抗状態に近い場合には、自軍側の火力効率・姿勢を第一にしいち早く片側戦線の打開を達成することを目標にすると上手くいくことが多いです。

 

上記は空母としても対応方針が比較的わかりやすいケースかと思います。

 

 

2試合目~戦線を時計回り・反時計回りに動かしながら、そのスピード差で有利を作る

このケースは1試合目のケースと似ている部分も多いですが、異なる点は片側は敵に押されることを前提としている点です。1試合目では両サイドが完全に突破されない(C側の方にも戦力が十分割かれていた)一方で、この試合はA側の一時的な突破については許容します。

上記は開始4分時点での制空領域を図示したものとなります。一見マップの6割強を自軍で取れていますが、中央の白色領域は構成要素が駆逐2隻のため脆く、敵空母の動きや大型艦の動きでひっくり返る不安定な領域です。またこの時点でA側の見方が視界不良と戦力差から撤退しており、シュリーフェンの突破次第で大きく崩れる兆しがあります。
※1試合目でルプレヒトの火力に対する脅威について記述しましたが、独戦が副砲込みでのプッシュを行う場合は脅威と判断します。

このことを考慮し、Bエリアを中心とし時計回りに戦線が動くことを前提として戦況を作っていきます。

 

先ほどの画像からおよそ1分半でこの戦況となりました。敵シムイとの会敵で駆逐2隻が下げられ、A側の戦線も大きく後退しています。

赤矢印が敵の予想される進行です。青矢印は味方が進行すべきルートです。空母としては適切に防空・スポット支援・火力投射を行い、赤矢印の進行と青矢印のスピード差を生むことが最大の役割になります。

 

ここでは申し訳ないですが10戦場であることを考慮し回復のないアマルフィやバヤールへの積極介入は行わず、戦艦を主軸として組み立てを行います。
具体的な手順は
コロンボ・出雲の生存のための防空
・駆逐2隻に対する防空による援護・敵駆逐のスポット
・Cから撤退している敵艦艇への追撃

となります。

 

これは先ほどの画像からさらに2分後です。アラスカと大和にフォーカスを行ったためヴィンセントのリプッシュがありますが、その前後は大きく空いているためここさえ落とせばCは完全に安全圏です。また出雲コロンボはフォーカスされましたが、防空面ではシャットアウトしているためこの時点で生存しています。

A側の敵はまだ外を回り切れていない(シュリーフェンが突出しているため容易に撃沈可能な)一方、味方のCサイドは固い防衛陣形をしけています。
空母介入によって敵のプッシュは足並みがあっていない一方で味方の撤退戦は非常にうまく行き、C側もエリア内に進出した高めのラインを維持できていますね。

制空領域的には上記のように盛り返されていますが、先述したようにヴィンセントとシュリーフェンはすぐに落とせます。その場合その周辺に敵艦が存在しないために空白地帯となります。そう考えれば敵の戦線が低いことがよくわかりますね。

戦力配分に偏りがある場合には、押す側・押される側をしっかり把握し、進行と撤退のスピード差を意識しながら常にエリアの優勢を保つ(最低でも拮抗)ことを意識するとうまく戦えます。

 

3試合目~母艦を基準としたプッシュ(パワープレーでの制空確保)

上記の画像は試合開始3分半での戦況です。味方は両サイドに展開しており、敵も両サイドに寄ってはいますが、中央に高隠蔽高対空巡洋が進出する兆しがあります。味方の射線がなく、B島に着かれる場合にはBの上空が敵になるため制空領域で不利になります。

そこで母艦を大きく再度に寄せ、空母の圧力配分を変更することでこの状況を打開します。1,2試合目でも母艦はどちらかに寄っていますが、大きく異なる点として「最初の2試合は試合の優勢な流れをより効率的に進めるために母艦を動かしている」ことに対し、この試合は「母艦をトリガーとして戦線の歪を修正している」点です。基本的に序盤での母艦上げはリスクも高いためあまり推奨されませんが、不利な試合ではリスクを取ることも必要です。

分艦隊が陣取り火力期待値の高いCサイドを押し上げます。このマップはAが多少の戦力差があっても遅滞しやすいというのも理由の一つです。
またAは持久戦による踏みあい、Bエリアは干渉手段が乏しく被占領になるため、確保済みのCを確定させてエリアの均衡を保つ狙いもあります。
ここで空母がやることはただ一つです。
・圧倒的な高レートによるすり潰し

ナヒーモフは顕著ですが、どの空母でも母艦距離が~12kmまでくると実レートは戦艦に匹敵するレベルになります。スポットと制空領域の拡張から敵の感じる圧力はそれ以上です。

 

(ちょっとやりすぎな気もしますが)

上記画像から役2分ですが、母艦がC外を取り切り高レートで敵の戦艦を潰し切りました。火力不利となるため敵の巡洋・駆逐は撤退しています。特に島裏の高対空艦高梁を剥がせたのは大きいです。

制空領域的にはまだ不利ですが、Cの敵は耐えることは厳しいためAの敵の押し上げに呼応する形でCを押し上げ、占領不利ではありますが戦線的には競り合いの形を維持できています。

ここで読者の皆さんに想像していただきたいのが、母艦が初期位置付近であった場合の戦線です。Aへの干渉力は高まりますが、この時点で0-2交換していることからA側艦艇の判断のまずさはあったといえるでしょう。加えて中央の巡洋のせいで正面方向への艦載機航路は絶たれているため、空母としての選択肢が潰されている中でAも不利になった場合に、はたして敵空母と対等に戦えるでしょうか。

当然結果論ではありますが、リスクを取ったことでうまく修正ができた試合だと思います。

 

先ほどから3分半後です。敵空母もきちんと優勢側に母艦を押し上げていますが速度差でこちらの戦況が傾いていますね。この状況ではBエリアは被占領ではありますが母艦の距離感と味方は位置から拮抗状態以上とみなせるでしょう。

 

最終的にAは殲滅されましたがこちらの殲滅スピードが勝りました。

不利を察した場合には母艦を大きく動かし、母艦・艦載機のヘルスを払い出してでも戦線を修正する必要があります。ただ待って淡々と試合を進行しても負ける試合はそのまま負けます。

 

今回は抽象的な内容なので少し難しかったかもしれません。
ただ実戦での戦線は生き物なので、ケースバイケースというのが正直なところです。代表的な3例を持ってきました。

3試合目に近い形の動画があるのでこちらもどうぞ。

www.nicovideo.jp

正直ようわからん!って人はここまで意識しなくても大丈夫です。(最初に書くべきでは?)
これを実践するにあたって、ベースとなる「攻撃の精度」「効率的な索敵」はもちろん必要ですし、これらの方が汎用性は高いのでまずはこちらの練度を高めることを推奨します。

 

読んでもわからないけどこの記事のことは理解したいという方は最近各所で行われている有識者によるコーチングを受けるのもオススメします。

 

初動の索敵について~対面の判別と効率的な艦載機操作・指向方向について

オーディシャスの解説は諦めた。

 

今回は空母を使用することにおいて、最も重要といっても過言でない最初の2分間における効果的な運用と判断について解説していきます。

・そもそもなぜ最初の2分間が重要なのか?

まず、空母を説明する上で難しい理由として
外的要因が他の艦種よりも多く、ケース分けが複雑である
という点が大きいと筆者は考えます。水上艦においても試合中の判断というのは時に非常に難しいものではありますが、空母に関しては全方面に自由に関与できるという特性上、判断するべき項目が多岐にわたるためそれをより難しいものにしています。一方で今回のテーマである「初動」についてはそれら外的要因の振れ幅というものが非常に小さく、ある程度主観的に決定を下せるとも言えます。
(ちなみに、これは最終盤の艦艇数が非常に限定される場面においても言えることですが、それはまた別の機会に)

言い換えれば、空母を扱うプレイヤーの技量差が最も出やすいの一つです。
またここで効果的な動きを行えない場合、それが試合中盤以降に火力差・点数差として効いてきます。(特に高隠蔽艦の発見状態やエリアの防衛・占領支援

 

というわけで、初動で使える(比較的)簡単ですぐにでも実践できる小技を2つほど。
小技の解説のくせに文章量が多すぎる。

 

①マップごとの艦載機の動かし方

まず、ランダム戦でよくあるマップの傾向ごとに、艦載機を初動で向かわせるとより効果的な方角というものがあるので記載します。
前回の記事で説明したように、召喚戦闘機が召喚される方向というのは操作中隊のその時点での進行方向で決定されます。繰り返しになりますが、「南北は同じ方角」「東西は逆の方角」です。(よくわからない人は前回記事をもう一度読んでください

 

これを応用すると、北または南方向に向かいながらの召喚の場合には、自分よりも先行する位置に戦闘機が置けます。初動においては必ず敵艦隊の先頭艦は自陣よりも敵陣に近い位置に存在します。

つまり下記のようなマップ、陣営が南北でスタートするマップにおいては、敵陣方向に向かいながら戦闘機を召喚することで、自然と操作中隊より敵陣に近い位置へ戦闘機を出現させることが可能になります。

下記は一例ですが、赤丸を戦闘機の哨戒半径とした場合、矢印の方向に操作中隊が進んでいれば星の位置に戦闘機が召喚されます。1ライン側の例は少し外に向かいながら召喚を行うことで意図的に少し内よりに戦闘機を召喚しており、10ライン側の例ではそのまま真南への召喚を行っています。
召喚位置の使い分けについては、レーダ艦艇の付きやすいポジションや駆逐が比較的辿りやすい航路付近に置くといったさらなる工夫が必要ですが、話が逸れるここでは割愛します。

どちらの方面を優先するかについては、味方駆逐の位置や母艦のスポーン位置を考慮し
・空母から見て近いほう
・数秒できちんと動いた駆逐(割と大事)
・(駆逐が複数いてどれも動いた場合)エリアへの到達が早そうな方
などが判断材料でしょうか。

 

また、エリアが4つでひし形配置の場合ですが、これは下記の2パターンの母艦位置に合わせて艦載機を操作すると効率的に索敵ができます。

エリアが遠い場合には内側→外側の順で、エリア正面の場合には正面→外側の順で索敵するのが効率的です。

この理由について、
・両エリアとの距離がある場合には、踏みあいが発生してからの対応までに、どちらのエリアへ向かう場合も少し時間がかかります。つまり初動で両エリアへバランスよく関与することが難しいです。そのため内→外と片側の4ライン分を広く、かつしっかりと抑えることでそのサイドのほとんどの敵艦の配置を把握し、これから逆算することでもう片方のエリアの陣容を把握し、2回目以降の行動の正確性を高める狙いがあります

・エリア正面にいる場合には、基本的に正面のエリアへの影響力がかなり高い状態を維持できるため、まずは正面について踏みあいを遅らせるだけで十分です。正面エリアの外側(例でいえば1ライン)に駆逐が展開した場合も20秒程度で索敵に迎えるため、高位を取られても脅威度が低く、索敵をある程度おろそかにしても問題ないという考えです。(そもそも高威力魚雷の装填が初動の段階では間に合っていない(魚雷装填ブースターはさすがに1回目の装填完了前には使わないでしょう…)
正面→中央と正面側から逆サイドにかけての5~6ライン程度(例でいえば2~7ライン)を満遍なく把握し大まかな戦力分布が判明すれば問題ありません

 

次にマップのもう一つのパターン、マップの正方形の対角線が両陣営の中央となるマップです。

例のマップ(沖縄)の場合、敵陣への最短航路は南西方向に向かうものとなります。
しかし南西方向への操作で戦闘機を召喚した場合、戦闘機の出現は南東になります。(下記の画像のように)

これは敵陣に近い側の召喚とはならず、戦闘機召喚時の駆逐艦スポットの確立がかなり低くなってしまいます。なので、基本的に母艦から見て真北または真南にあるエリアを初動で索敵することで、効率的な索敵へと変換します。

応用として、下記のようにエリア付近で急旋回することで、少しポイントを内側にずらしたり…

あえて一回中央を操作中隊で大まかに索敵した後に、最も初動索敵が難しいエリアへアプローチしながら戦闘機召喚で索敵をするなど
(直接向かった場合開始30s程度で到達してしまい、駆逐が警戒してしまう+そもそもエリア近辺に到達していない)

上記は簡単な例ではありますが、基礎的な仕組みを理解しておくことで色々と工夫ができます。

上記のようなエリアは位置が少々特殊なマップについては、中立エリア二つを初動は抑えることを勧めます。
対角のマップは外周の奥行きがあるため、外側に大型艦が到達するまで時間がかかります。駆逐単独で高位を取られても、魚雷の射角も限定的であり少なくとも初動の段階では脅威度が低いとみなせるでしょう。もちろん南北方向の意識も忘れず、エリアを巡る順番は間違えないように気をつけましょう。

以下、イメージを具体的に持ってもらうための実戦での索敵例です。

以上でマップ特性ごとの艦載機の初動(指向方向)については終わりです。

 

もう一個読む元気と時間がある方は少しだけお付き合いください。

 

 

②初動での艦載機のチョイスと空撃ちの判断

2つ目は初動における空撃ちの必要性の判断と、どの兵装を選ぶかについて出す。
多少の好みもありますが、兵装について、ミッドウェーにの場合は攻撃機を選択しましょう。これ以上深堀考察すると制空と火力の宗教戦争に発展しかねないので…

初動における空撃ちの必要性についてですが、最初に接敵する駆逐艦によって判断します。例えばハランドやマルソーに9機で向かってもAAを使われると一回攻撃を通せるか…でしょう。まず往復は厳しいと思います。一方で島風やユエヤン相手であれば、単独で接敵した場合には往復が可能です。もちろん巡洋の防空圏内で行動されれば一回攻撃が限界ですが。当たり方によっては往復を嫌って煙幕を使用させたりということにも繋がります。

 

しかし、見えてない敵の駆逐艦の種類なんてわかりません。(駆逐1隻マッチであればさすがに判断できますが。)というわけで結局はマッチング表を見て往復できるかどうか、その期待値を考慮して空撃ちの必要性を判断します。

と話は簡単には終わりません。怪しい宗教勧誘みたいになってしまいますが、これをきちんと理解し完全に自分のものにできれば、初動で接敵する駆逐の種類を8割以上の確率で当てることができるようになります!!!
分隊組んだ人ならわかると思いますが、筆者の場合本当に8割以上当てます)

というわけで見えてない駆逐の種類を当てる方法を記載したいと思います。(あんまり書くといろんな方面から叩かれるかもしれない…)

まず、マッチングが成立しラインナップが表示された時点で以下の項目を確認しましょう。

・味方駆逐艦速力(大まかでよいので)
・敵駆逐艦速力対空(AAの有無等、基準は後述)
・敵の巡洋艦のうち、対空隠蔽=対空射程かつその距離が6.0~6.9kmの艦艇

Tier10を基準とした一例ですが、速力については
・仏駆・ソ駆(グロゾ除く)など45ノットを超える→速い
島風・岳陽・グロゾなど、通常仕様エンブ込みで40~44ノット→普通
・エルビング・シャーマンなど40ノットを超えない→遅い
で分類すれば十分でしょう。

※この分類は後の説明でも使います。便宜的に①グループ(速い組)②グループ(普通組)③グループ(遅い組)とします。


ここで判断に迷うのが緊急エンブを持っている艦艇ですが、正直なところ初動でこの消耗品を使われることはあまりないため、基本的にはスペックの速力で分類しておきます。

対空の強弱については、「単独で接敵した場合に全力で対抗された場合(AA使用+セクター強化された場合)に攻撃機での往復が可能か」を判断基準とします。
・マルソー、グロゾ、シャーマン、ハランドはAA込みでの往復は難しいです。
島風、ユエヤン、レゴロなどは、接敵タイミングが悪くても往復可能です。
接敵タイミングが悪いと往復できない微妙な艦艇については、「それらがマッチングに存在する」という前提で初動を組み立てます。

巡洋艦については、俗にいう軽巡洋艦が上記に該当します。これは覚えましょう。(初動に限らず試合を通して空母の大きな障壁となるので)

 

では試合の中での動きについて。

まず大前提として、味方駆逐艦の最低一隻がエリアに向かっている必要があります。例えば2隻マッチで2隻とも開幕転舵から外周方向へ進んだり、数秒間動かなかった場合には判断が一気に難しくなることを覚えておいてください。(これをやられても判断ができないわけではありませんが、相当の空母側の練度が必要になります)

※また、ここで説明する例は敵駆逐が戦闘開始時点で行動していることを前提としています。遅れてスタートやAFKは考慮しません。あえて低速で航行したりという駆け引きについても今回は対象外とします。(そのレベルをやられたらさすがにきつい)

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最近は潜水艦の出現によってこの技術もより一層難しくなっています。対潜水艦においては視界の決定権があちらにあるため、こちらの被発見レーダの精度が格段に落とされます。とはいえ潜水艦なしマッチであれば十分有効ですし、潜水艦+駆逐2隻程度のマッチであれば、応用することでまだまだ有効な技術と筆者は考えています。

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簡単な例を4つほど。

まず1つ目ですが、1枚目は航空機の被発見が点いたタイミングのスクショです。このマップは対角マップであり、敵味方陣地の中央は黄色で示したラインとなります。

被発見時点での航空機の位置ですが、中央線をほんの少し超えた地点です。ここで注目すべきが味方マルソーの位置で、エリアに対して最短ではないものの最短航路に近い角度で進んでいます。つまり、敵駆逐は「ほんの少しだけエリア到達に対して時間的損失の発生したマルソーと、同等の時間で接近可能な駆逐」と判断できます。
この時点で③グループの駆逐ではないと判断できます。また②グループの場合は敵駆逐はエリアに対して最短航路で向かっていると決定できます。①グループの場合はエンブ未使用の場合や、味方マルソーと同じくエリア最短でない場合が考えられます。

ちなみに上記の画像の場合、中央の駆逐からの被発見のパターンも考えられるのですが、この場合も③グループについては最短でもH7マスから抜けることができないタイミングのため、どちらにせよ①か②グループで決定できます。

(朱塗りが①グループの想定位置、赤塗りが②グループの想定位置)
(黄色線は想定されるエリアへの最短航路です。)

この状況まで理解したうえでマッチング表を検討すれば、もう駆逐の艦艇名はかなり絞れます。どちらを優先するかはこの記事の前半で書いたように、接敵する場合に早いほうからなのでAエリアです。
Aで敵駆逐が見れればその時点でまず1隻スポットになりますし、いない場合にも中央に①か②グループの駆逐が向かっていることは判断で来ているためそこまで困らないと思います。

ちなみに正解は最短航路を辿っていた②グループの島風でした。マッチング表にマルソーとグロゾがいない場合には対空強の①と②が消えるため空撃ちが不要(A接敵の際には)まで決定できます。

2つ目ですが、分隊駆逐がスモランド(エンブ未使用)であるにもかかわらず被発見タイミングが中央線よりも向こう側です。(下記画像)

この時点で外周方向へも含めて①グループが消せます。②か③グループが確定しました。基準となる味方のスモランド(エンブ未使用)がほぼ損失なしでエリアへ向かっているため、②グループで大外orB方向、または③グループで7or9ラインであるとまで絞れます。あとはマッチング表とにらめっこして艦艇名を検討して下さい。このマッチでは③グループに属するハランドが居たため、空撃ちを行う判断をしました。

ちなみに正解は③グループのデアリングでした。予想通り9ラインに居ましたね。

3つ目が一番簡単です。味方のマルソーが開幕からエンブを使用してエリアへ向かっています。航路的にもロスがほとんどありません。

しかし上記画像の時点で被発見、タイミングは中央戦とほぼ同一かほんの少しだけ手前です。①グループの味方マルソーが損失ほぼなしで向かっているのに中央線前で見つかるので敵の駆逐も①グループ確定です。今回はB側からの発見もあり得ない位置です。(厳密に記載すれば、A側スタートでB向かいの駆逐はあり得るがその場合Aに敵駆逐が居ないことになる)

案の定①グループのマルソーが最短航路で迫っていました。

 

最後の例ですが、画像の位置で被発見が点きました。B側とC側のどちらの可能性も考慮でき、かつ①~③グループすべでの可能性がこの時点で残っています。

このままでは判断がつきませんが、こういった場合には強行偵察ではなく手順を一つ増やして解決します。

下記画像のように、中央に②か③がいる場合を想定します。中央で操作方向を整えなおして真南に召喚します。②または③グループの想定位置を補足できるように召喚しています。
敵駆逐のグループ判断が遅れた場合は安全を取って空撃ちしたほうがよいでしょう。マッチング中の②、③グループのラインナップ駆逐の中に強対空が1隻も居ない場合のみ不要と考えます。
(画像の空撃ちタイミングが記述のものよりも早いですが、筆者はこの手順に慣れているため中央線手前の段階で空撃ちしているだけで、記述のタイミングで判断でもよいと思います。)

しかし召喚した戦闘機で見つけることができませんでした。Bの西側からアプローチされている可能性は残っていますが、マップの半分は抑えれているのでここでC側を捕まえに行きます。

少しタイミングが遅くなりましたが、③グループのハランドを補足することに成功しました。

例のように一つずつ整理していくと、案外駆逐が何であるかは絞れます。実際はマッチング表も見ながらですので、少し慣れれば空撃ちの判断も迷わなくなります。厳密に判断できなくとも大まかにグループがわかるだけでもその後の試合の組み立てやすさが大違いです。(中盤以降にエリア転換されるたり、外周に走られることを予想できる。)

 

 

また説明が長くなってしまいましたが、少しでも読者の方の空母運用に役立てば幸いです。お付き合い下さりありがとうございました。

 

 

哨戒戦闘機の運用についての考察

過去記事(といっても1年近く前ですが…)でその構成要素について一通り書きました。
その中で戦闘機についても記述していますが、今見返すとこれで何が理解できるのだろうと思いました。というわけで現環境における戦闘機の使い方について、言語化できる範囲で記載をしていこうと思います。

 

※解説の前に
ここで指す戦闘機とは、攻撃中隊の消耗品である「哨戒戦闘機」を指します。母艦から被発見時に発艦するものや水上艦艇の直掩戦闘機は含みません。また艦長スキル「迎撃機」(3P)は取得していない状態としま。これは迎撃機の効果に含まれる「敵戦闘機を攻撃しない・無敵である」「敵艦艇をスポットしない」という部分がこの後の記載と矛盾するためです。
また、基本的にTier8~10の空母における哨戒戦闘機を対象とします。Tier6や超空母のものは今回は対象外です。

 

以下解説です。

・戦闘機の性能について

哨戒戦闘機の性能自体が艦艇によって少し異なりますが、基本的には以下の通りです。
T8空母:機数5、動作半径3.0km、効果時間60s、使用回数3回、基礎HP163
T10空母:機数7、動作半径3.5km、効果時間60s、使用回数3回、基礎HP203
上記の例外はエンタープライズ、チカロフ、インドミタブルです。

 

これに影響するものは下記のとおりです。

・アップグレード「飛行中隊消耗品改良」:効果時間+50%
・アップグレード「飛行機体改良2」:HP+7.5%
・アップグレード「航空管制改良2」:速度+5%
・艦長スキル「索敵掃討」:哨戒半径+10%
・艦長スキル「偵察機リーダー」:使用回数+1回
・艦長スキル「迎撃機」:敵戦闘機に無干渉艦艇スポット不可、哨戒半径+10%
・艦長スキル「強化型反応速度」:効果時間+25%、到達時間+25%、反応時間-80%
・艦長スキル「抗堪専門家」:戦闘機のHP+25×Tier数 ※特殊艦長は+30×Tier数
山本五十六固有スキル「消耗品秘蔵」:使用回数+1回
・クズネツォフ固有スキル「緊急リザーブ」:使用回数+1回

※一応思いつく限りトレモで検証しましたが、漏れがあったらすみません。
隠蔽アプグレは戦闘機に乗らない一方、速力・ヘルスのアプグレは乗るみたい?

 

例えばですが、艦長スキル・アプグレ共に未取得の紹介戦闘機中隊のヘルスは1421ですが、抗堪専門家を取得し飛行機体改良2を取得した場合には3408となり、およそ2.4倍のヘルス差になります。この知識も後で少し必要になるので頭の片隅に置いておいてください。

また哨戒半径≠旋回半径ではありません、あくまでも敵機に対して反応する境界の半径となります。(実際の半径は2km程度)これも敵艦スポットの際に関わってきますので注意が必要です。

最後に、哨戒戦闘機は一般的には哨戒円の中心座標のと出現タイミングのみ操作が可能ですが、実際の運用においては下記の記事の内容が非常に重要となります

kawaii-14.hatenablog.com

※必読!!!!!!

少し長くなりましたが、各使用法について(といっても筆者なりの分別ではありますが)、その重要度と難易度も混ぜながら記述していきます。

 

 

①敵艦艇のスポット(障害物が少ない場合)…重要度3、難易度1

まずは開けた海域の敵艦艇のスポットについて、これはもっとも一般的で多くのプレイヤーが行っているものです。自軍の戦闘機と敵艦艇の間に障害物が存在せず、かつその距離が敵艦艇の航空発見距離よりも短い場合にスポットが発生します

上記は一例ですが、召喚した戦闘機と敵艦艇の間に障害物がないため、Cサイドから撤退する敵艦艇がスポットされています。継続的なスポットにより味方の火力投射を支援することができます。撤退する相手の場合相対距離が開くため時間経過とともにスポットが切れる一方、定点にとどまる艦艇は効果時間中ずっとスポットが期待できるほか、敵艦艇の前進に合わせたスポットの場合進行を遅らせることも可能です。

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※現環境において、対潜水艦を目的とした対潜爆雷機機に対して戦闘機が反応してしまうことを利用した、哨戒戦闘機の対艦艇からの剥がしがあるためこのスポット方法は以前よりも弱体化しています。最大で11kmまで投げれるため、ほとんどの艦艇の航空発見距離を超えており、効果時間いっぱいまでスポットを続けることは難しい環境です。ただ対潜爆雷機の投げ方によっては反応しないケースもあるため、このスポット法を最も使用する場合には、艦長スキル「強化型反応速度」を取得しないことを推奨します
これは上記を取得した場合に反応速度が速すぎるがゆえ、確実に対潜機を補足して攻撃に移行してしまうためです。

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とはいえ先述したように、最も視覚的にもわかりやすく平易なスポット法ですので、これまで運用を意識していなかった方はまずはこれから始めることをお勧めします。

 

 

②敵艦艇のスポット(障害物が存在する場合)...重要度4、難易度3

①の運用と類似していますが、これは敵艦艇と味方艦艇の間に障害物が存在する場合に敵艦艇を上空からスポットすることは、①よりも効果的です。

上記は1例ですが、Aエリア周りの障害物によって、味方艦艇と射線が通っていない艦艇がいます。(画像だとAサイド敵艦艇群のうち北側の3隻)
射線がないため航空スポットがない場合に、敵艦が発砲した際のペナルティがなく一方的な火力投射を許す危険性があります。これを抑止することで味方艦艇への射撃効率を低減するとともに、本来発見できない艦艇に対しての味方の火力投射を可能にしています。①に比べて味方の射線を(おおまかにでもよいので)意識する必要があるため、運用の難易度は高くなります。
特に駆逐艦が2~3隻いるマッチにおいては駆逐のスポットと競合しない形・射線でのスポット(これ本当に大事)によって局所的にダメージ差を作り、戦局を優勢に持っていくことも可能ですので、①の運用に慣れた方はこちらに移行するとよいでしょう。

 

 

③敵艦艇のスポット(召喚方向操作による強制スポット)…重要度5、難易度5

①、②のようなスポットで対空発見距離>対空砲射程の艦艇や、対空距離=被発見距離の場合でも長距離対空砲の秒間ダメージがそこまで高くない艦艇のスポットは十分に行える一方で、駆逐艦や高対空艦(対空隠蔽=対空距離)の継続したスポットは難しいものがあります。仮にスポットを行った場合も数秒~十数秒で撃墜されるため安定したスポットは難しいでしょう。
一方でこれらの良隠蔽艦(特に魚雷を有する駆逐艦)については、スポットの重要性は非常に高く、空母のメインタスクの一つともいえるでしょう。
そこで先ほど記載した記事中にある哨戒戦闘機の召喚方向を利用した強制スポットを行います。

これらはあくまで召喚時のみのスポットであり継続的なスポットではないため、「失探をマップ上に残す(味方への共有)」「空母に脅威となる対空艦の位置を把握し試合を通した攻撃の組み立てを補助する」運用となります。
事前にその領域付近に高対空艦がいるという情報だけでも、攻撃中隊の操作を少し慎重に行ったり、往復が難しい場面では空撃ちを行ったりと損耗を減らす動きができます。

下記はいずれも強制スポットによる補足となります。(特に駆逐艦

このやり方を実行するにあたって、
・どの方向から召喚されるか(繰り返しになりますが紹介記事参照)
・スポットしたい対象がどこにいるか(いる可能性があるか)
の2点を抑えておく必要があります。

初動においては駆逐は占領エリアor外周に向かう傾向が高いため、攻撃中隊の被発見のタイミングを重ねることでかなりの精度でのスポットが可能です。(1枚目、2枚目)
また3枚目のようにエリアを踏まれている場合も同様ですね。多くの場合敵陣に近い側で踏まれているor障害物で射線を切られているため、非常に有効な発見方法です。

また、艦長スキル「索敵掃討」を取ることでそもそもの召喚位置が何も取得しない場合に比べ哨戒円の中心から遠方になります。艦長スキル「強化型反応速度」を取得する場合召喚時間が25%増えるため、この強制スポットの時間が25%増加します。微々たる差ではありますが、スポット確率を艦長スキルで上げることも可能です。
さらにこのやり方は重要なスポットを行える一方で、試合を通した戦闘機の消耗とスポット時間そのものが短くなるため、艦長スキル「偵察機リーダー」で回数を増やしこれを補完する必要性も高くなります。

敵の位置予測が必要という点で他のスポット方法よりも難易度が上がりますので、あくまで知識として知っておくだけでも十分です。

 

以上が筆者の考えるスポット方法3種でしたが、これを利用することで下記の運用ができます。

 

④置き戦闘機による行動制限…重要度4、難易度5

下記は敵艦に行動されたくない領域に、あらかじめ戦闘機を展開することによって行動制限を掛ける運用です。1枚目は敵駆逐が初動でエリアを踏むことを未然に防ぐor来た場合には被発見をつける働きがあります。特にギリシャのような争うエリアが2つに限定されるマップの場合には、初動においては空母側で2キャプの争いをコントロールすることも難しくはないのですが、攻撃中隊はあくまで一つですので補助としてこの運用が効果的です。

2枚目は敵駆逐(スモランド)がこの後向かうであろう方向を縛る働きがあります。展開位置はAB間ですが、この後にAエリアと味方ベネチアの間に中隊を向かわせることで、敵として効果的な行動の両方を潰しに向かっています。働きとしては1枚目と同様に、攻撃中隊で向かわない側の補助です。

この運用はマップによってタイミングが変わってきますが、試合中盤以降の戦線が入り組んだ場合に、「ここに駆逐に入られたらまずい」「このあたりから魚雷を流されると被害が大きそうだ」というエリアへの置き方が主になると思います。敵駆逐の大まかな位置と味方の距離感、エリア周りの状況(点数含めて)を総合的に見ながらの運用のため突き詰めるとキリがありませんが、なんとなくのイメージはつかめるのではないかと思います。
この運用は筆者が言う「制空」の根幹となる運用ですので、この運用を効果的に行えるようになれば、試合全体のコントロールがとてもうまく行えると思います。

 

これら①~④の運用を行うにあたって、少しでも効果を上げたいのであれば艦長スキル「抗堪専門家」の取得を推奨します。諸元解説でも記載しましたがHP差は2倍以上になり、特殊艦長まで考慮すると最大で2.5倍の戦闘機のヘルス差になります

例えば敵の長距離対空が100とした場合、未取得の場合は15秒間のスポットですがヘルスを強化すれば35秒に膨れ上がります。もちろん中/長距離の変化もあるのでここまで極端ではありませんが、体感で1.5倍以上のスポット期待値増加が見込めると思います。

 

 

 

これ以降はスポット目的以外での運用になります。

⑤味方艦の直掩防空…重要度4、難易度2~3

場面は限定的ではありますが、いわゆる「防空」の運用です。現空母の仕様で完全な防空は不可能と言えますので、
・残り体力が少ないもののこの攻撃を別に向けることで生き残れ、残り時間で十分な働きが見込める艦艇(島風などの雷駆や、回復を残している戦艦等)
・敵視点で撃沈が絶対である味方艦艇
・占領中の駆逐艦(踏みあいがなく、敵のレーダー艦艇が周囲にいない場合)
などが対象になると思います。

基本的には試合の中盤以降、ある程度ヘルスが減ってから意識しだす運用です。(エリア占領支援を除く)
特に戦艦が回復をもう少しで使えるという場面での効果は絶大で、味方のヘルスプールの回復となるため終盤においては重要な役割になります。


味方の防空を行うにあたって必要なのは
・敵がどの兵装で攻撃してくるか(どの侵入角だとダメージが大きいか)
・被攻撃の際に味方がどの姿勢、どの位置にいるか
の2点となります。
兵装については大まかに
攻撃機雷撃機・反跳爆撃機→横から
急降下・緩降下爆撃機→縦から
ですのでその時の敵空母の兵装に合わせて、また守りたい味方艦艇との相性も加味して置き位置を変更するとより効果的です。

例えば駆逐艦を守るなら爆撃・ロケットは驚異ですが雷撃は脅威度が低いため無理に守りに向かわなくてもよいでしょう。(瀕死の場合のスポットは考慮する必要あり)
逆に残り12000くらいの戦艦に対してロケットのキルは難しい(貫通力次第ですが)ので雷撃・爆撃に対してのみリアクションするなどです。
1枚目は味方の島風に対しての防空ですが、最も脅威となる爆撃機向け防空を行っています。爆撃機の場合敵機の直上に一度到達すつ必要があるため、防衛対象を中心とした領域を展開します。
2枚目は味方のコロンボの転舵に対しての防空です。敵は雷撃機であるため横からの侵入に備え、直上よりも敵陣よりに展開しています。また敵雷撃機の到達の際の予測位置に合わせ、現在地よりもやや外側に向けています。マップ端まで覆うことで敵の選択肢を減らしコロンボへの攻撃をあきらめさせるor内側からの雷撃を強要する(この場合味方巡洋との防空圏になるため被害が大きくなる)ことができます。

ある程度空母に慣れていれば、自分がどういったシチュエーションで攻撃を狙うかということを相手視点で考えればこの防衛対象は判断できると思います。敵側の視点が不明瞭なため絶対的ではありませんが、かなりの指標となるはずです。

最後に、接近戦を仕掛けていたり、相手と島を挟んで向かい合っている艦艇への防空は正直なところ行わなくてもよいです。というのも戦闘機が敵の対空で消耗するためです。こういった場合には相手と1対1の交換を狙いましょう。

 

 

⑥母艦の防空…重要度2,、難易度2

基本的な考えは⑤の防空と同じです。敵の兵装に合わせて戦闘機の位置を調整します。ただ母艦の場合は比較的マップの端にいることが多い点と、動きが鈍重でありかつ回復がないため両サイドをカバーする必要があります。(厳密には艦長スキルや軍拡モードでの回復はありますが…)

2枚目のように片舷をマップ端に、もう片舷を戦闘機でカバーすることで敵の航空攻撃をシャットアウトできます。マップ端以外にも味方の防空圏や、地形・島といった障害物でも同様の効果が見込めます。
防空とは少しそれますが「二人の兄弟」マップの中央水路などに母艦を入れた場合、両サイドからの攻撃に必要な幅と高度が不足するために基本的には縦方向からの攻撃のみを警戒すればよく、対象が爆撃に限定しやすいため直上防空のみに切り替えるなどの工夫があります。

母艦防空は味方艦への防空の延長でも十分対応可能なので特に生き残りが必要な場合でもなければそこまでの意識は必要ないとは思います。

 

防空に関しては戦闘機数7に対して攻撃中隊数はそれ以上がほとんどなため、完全シャットアウトは難しいです。あくまでも往復させない、あるいは消耗させて次回攻撃以降の脅威度を下げると思ってください。
防空を意識するならば、艦長スキル「強化型反応速度」はなるべく取りましょう。
1度目のアクションで敵にバレてしまうものの、防空意識を向けた場合の敵空母への大きなプレッシャーにもなります。
基本性能が召喚時間6s+反応時間5s(計11s)のところ、取得した場合召喚時間7.5s+1s(計8.5s)となります。この2.5sのリードは実際に使用してみるとなかなかに大きいため、一度は試してみる価値があると思います。

 

 

⑦敵戦闘機の剥がし(ドッグファイト)…重要度2、難易度1

最後に敵戦闘機とのぶつけ合いです。先述したように現在は対潜爆雷機の影響でほとんど必要がなくなりましたが、運用としては可能なので軽く記載しておきます。

基本的にこれが必要となるのは
・弱対空あるいは対空が破壊された艦艇に対する防空の剥がし
・対潜哨戒機範囲外でスポットを行う敵戦闘機の剥がし

となります。場面もそこまで多くないため参考程度に。

画像は敵の島風を防空する敵戦闘機を消滅させるために使用しています。周りに他の敵艦艇がおらず、島風の対空では撃墜が難しいために敵の戦闘機とのかみ合いが発生します。
噛み合うタイミングや向きでヘルスの消耗が変わりますが、同じタイミングで反応した場合にはヘルスが多いほうが機数を残して撤退します。1機でも残った場合、撤退までの数秒間スポットが行われるため、多少なりとも有用です。
また、敵戦闘機が1機の場合でもそれをこちらの戦闘機で撃墜した場合には全機撤退します。
仕様として
・敵航空機(直掩戦闘機や対潜爆雷機、空襲機含む)に1以上のダメージを与えた場合
・効果時間(最短60s, 最長112.5s)が終了した場合
の上に該当するからです。逆に言えばダメージを与えていない場合たとえ1機しか残っていない場合も効果を発揮します。

 

戦闘機について筆者が思いつく限りのことを書いたつもりです。まだ不足している部分があるかもしれませんが、特に①~④については意識することで第4の兵装としての活躍が見込めるようになると思います。

 

かなり長い文章になってしまいました(艦艇解説より長くなるとは…)、ここまで読んで下さりありがとうございます。
次回は艦艇解説Audaciousにする予定です。

 

 

Warld of Warships T10空母所感~Admiral Nakhimov編

シリーズ2筆目はツリー空母としては最新であり、また今までの空母に関する調整の集大成であるソ連T10空母Nakhimovです。

少し見にくいですが、↑はT10空母のサーバー統計です。Nakhimovに顕著に表れている点としては、「ツリー空母5隻の中で圧倒的に高い平均ダメージ」(なんならインメルマン超え)、「際立った平均撃墜数の高さとキルレの低さ」の2点でしょう。

撃墜数の高さは主に敵空母からの母艦狙いによるものであり、それに伴いキルレが下がる(母艦が沈むため)という仕組みです。火力にリソースを割いている分装甲がない、いわば火力全振りキャラです。

Nakhimovの総評

Nakhimovは火力勝負を仕掛けるのが得意であり、とりわけ中・大型艦に対する単発攻撃力に関しては他を寄せ付けないものがあります。そのためダメージレースを優位に進めながら、時折偵察・けん制を絡めた支援を行うといった、火力投射を軸とした運用に秀でた空母です。リンク先の検証結果(海外CCによる記事、中国語)

https://forum.gamer.com.tw/Co.php?bsn=21052&sn=78589&subbsn=6&bPage=0

にもあるように、他の空母と比べ10km~17kmにおける火力効率が良く、それよりも遠距離になる場合には他の空母と効率面での差がなくなります。一方で母艦装甲は他国に比べかなりの脆弱性があるため、母艦の位置取りについて他の空母よりも意識を向ける必要があります。

ソ連空母の特徴である発艦時の推進ブースターにより一定距離までであれば他国に類を見ない到達時間となります。巡航速度が低いため、距離が遠くなるにつれでここで稼いだ時間的な貯金を消費していく図式です。

下記リンクは実戦動画、母艦のラインによる圧倒的火力がハマった試合です。

www.nicovideo.jp

以下筆者による各兵装の運用法などになりますが、盤面構築を主としたスタイルとなります。火力をメインに押し出すスタイルについてはリンク先(海外CCによる記事、英語)の記事のほうが参考になりますので、こちらも一読するとよいでしょう。

Personal Opinion: How to Admiral Nakhimov : WorldOfWarships

先述しましたがナヒーモフは母艦装甲が脆弱です。大きな要因として①バイタルが巨大であり、かつそれを覆う装甲厚が十分でない、②甲板装甲が50mmのため、の2点が挙げられます。このことを念頭に置きながら母艦の位置取りを決める必要があります。母艦の安全性を担保する一方で、安全上の脅威となりえる苦手な艦種の処理をどうするかということは頭の片隅に置いておきましょう。

Midwayでも書きましたがNakhimovの攻撃の優先度(プライオリティ)は、艦種でいえば
戦艦≧重巡>>軽巡≧駆逐

状況で整理すれば

①一中隊でキルが期待できる艦艇
②ダメージ期待値の高い戦艦
③キーポイントに在する艦艇(駆逐除く)+ダメージ期待値の高い重巡洋艦
駆逐艦or軽巡

のようになると思います。
保有している残機にもよると思いますので、大まかには
攻撃機→①、③、④
雷撃機→①、②、③
爆撃機→①、②、③、④
基本的にどの兵装も万能(雷撃が高機動の相手に対して厳しい)ですが、対小型艦は爆撃以外での命中期待値が著しく低いため注意が必要です。味方の射線等を意識しながら効果的なタイミングでの処理が必要となります。

以下、これらの理由について兵装ごとに簡単にまとめていきます。

 

※Nakhimovは中隊数=攻撃小隊数という特殊構成のため、一回の最大投下数も兵装名の横に記載します。

1.攻撃機(攻撃小隊8機、最大投下数32本)

ロケットの注目すべき点としては貫通力:40mmで、これはほぼすべての巡洋艦と一部戦艦の甲板装甲を貫通であり、T10空母攻撃機搭載のロケットの中ではアメリカ空母のTiny Tim(68mm)に次ぐ貫通力を誇ります。また散布界が他国に比べ横に長いため、対大型艦においては複数火災の可能性も高く他兵装と連携もしやすい兵装です。一方で攻撃後のディレイがおよそ6秒と長いため回避可能な相手に対しての命中率は悪くなります。状況によっては駆逐・軽巡も狙えますが基本的には鈍重な戦艦・重巡を狙うことをお勧めします。(可能であれば甲板装甲厚≦40mm)

ダメージ期待値としては米(モンタナ・オハイオ)・英・仏戦艦が最も高く、狙い方によっては2万以上のダメージ+複数火災を望めます。甲板装甲厚が41mm以上の場合も命中数の暴力で艦種・艦尾+上位構造物への貫通ダメージと火災を望め、1万近いダメージは出ます。(区画消耗を無視した場合)

偏差の取り方としては
駆逐艦:船体1個分~2個分
巡洋艦:船体0.5個分~1.5個分
・戦艦:船体0.3個分~1個分

ただ先述したようにディレイ6秒の関係から駆逐は機銃掃射後の回避が可能です。あくまで参考程度に。

これは爆撃にも言えることですが対空砲を破壊する力が強い(爆風ダメージが高め)なため同じ艦艇を続けて狙う場合には攻撃機or爆撃機を先に使用することを推奨します。

1枚目はスタグラ狙いで偏差は船体1個分前ですが、これでダメージは9400(11/15貫通)+1火災でした。

2枚目はジナン狙いで、16000ダメージで撃沈(18/19貫通)でした。偏差はスタグラと同じく船体約1.1個分(船体が小さいため絶対距離はスタグラと同じ)ですね。

3枚目はサンダラー(甲板32mm)狙いで、21000ダメージ+2火災、偏差はだいたい船体0.7個分です。期待値が高い艦艇に対して横から狙えれば12000↑は安定します。

攻撃機はNakhimovのメイン兵装の一つであり、基本的には反跳爆との併用で運用していくことになります。攻撃姿勢の関係上爆撃機よりも消耗をしやすい点には注意が必要です。巡洋艦と戦艦にはかなりの脅威度があり駆逐に対しても当てさえすれば大ダメージが期待できるという点で常に1中隊は出せる準備をしておきたい兵装です。
一方で散布が広い関係でMidwayのように区画を意識する必要がないため狙いどころというよりはとにかく命中本数を上げる意識を持ちましょう。

Nakhimovの場合、与ダメが伸びるかどうかはこのロケットの命中率・貫通率と雷撃の運用効率が大きなウェイトを占めます。一方で終盤に向かうにつれて区画耐久の関係からダメージ効率が悪くなっていくという点にも注目です。ただ元のダメージ期待値が高いためにダメージ効率についてはそこまで意識する必要はありません。

 

2.爆撃機(攻撃小隊7機、最大投下数7個)

爆撃機は貫通力54mmという何とも微妙な貫通力ですが、50mmを超えているため最低限の貫通を望めます。一方で反跳爆撃の宿命としてほぼ水平方向からの攻撃となるため、水雷防御区画へのヒットや装甲帯へのヒットが発生してしまいます。また前後方向への散布界もそれなりに大きいため狙うには少しコツが必要です。
一例ですが
・鈍重な戦艦相手は3段目の跳ねた後に敵に当たるくらいの偏差を取る
=3段目のラインが敵の舷側より手前になるあたりで投下する
巡洋艦相手の場合は4段目で敵の向こう側の舷側に当てるくらいの偏差を取る
=4段目はそのあとの跳ねがないため少し奥目偏差のほうが命中率が良い
等のダメージの期待値を高めるための変化があります。
Nakhimovの3兵装の中では一番駆逐に対応できる兵装でもあるため、駆逐の枚数によってある程度攻撃に使用する頻度を調整する必要があります。

注意点としては、1段目で当てに行く場合に地形を利用して島裏からの攻撃を行う場合に、その投下高度が高すぎる場合には反跳が発生しない点です。これはレティクルを示す直線が緑色(反跳あり)かオレンジ(反跳なし)で判断可能です。

偏差の取り方は段数に寄りますが、4段目基準なら上記の攻撃機の偏差と同様でいいと思います。3段目ならそれよりマイナス0.3個分程度減らす、2段目なら0.8個分減らす…という具合に調整は必要です。縦向きで侵入しても1~2発の命中は期待できるので奥向きのおおよその偏差もつかんでおくと活きる場面があるでしょう。

対戦艦の偏差、大和はそこまで速くないので0.8個分くらい。

巡洋艦の偏差ですが停止状態なのでほぼなし、奥行きはこれくらいを意識する。

対駆逐はあくまで一例ですが3段目で1.8程度(仏駆なので)、これは4発命中。

反跳爆撃はNakhimovにおける対駆逐の実質的な唯一の対抗手段であるという側面もあり、また先述した対空砲の破壊にも有効です。爆撃は密集地域でなければ損耗率が低いまま有効打を出せるため、困ったら爆撃機を発艦という選択が割と通じます。しかしながら試合終盤に残る敵艦が何になるかを見極め出撃頻度の計算は必要です。

 

3.雷撃機

雷撃は一度の投下数が7本と全空母中2番目の多さを誇りますが、1本あたりのダメージはかなり低くまた雷速も遅めです。レティクルは他国に比べ極小であり信管作動距離が他国より長いため、真横からの侵入であっても回避可能な相手に対してのダメージ期待値は低い一方で、縦向きで回避を行わない艦艇に対しての期待値は高くなります。この部分はソ連空母ならではの面でもあるので注意が必要です。

特に艦首・艦尾からの投下での命中の場合、水雷防御区画を外した命中になることが多く浸水率は見かけよりも高くなります。
真横からでも複数命中すれば数の暴力で浸水を期待できます。基本的に単独運用ではなく、攻撃機爆撃機とのコンボや他の艦艇の砲撃と合わせた運用が効果的です。

雷撃に関してはしっかり偏差を取ること以外で狙い方に注意点はありませんが、前半は温存し後半敵の陣形がばらけた際にすでに対空砲を損耗させた戦艦や巡洋艦相手に投げる運用が効率的でしょう。

対戦艦は偏差的にはこれくらい、しっかり当たる確信がある場合は絞り切らないほうが水雷防御を外せるため期待値は上がる。この攻撃はおよそ12000ダメージ+浸水1。

巡洋艦で角度はそこまでよくないがこれは4本命中+浸水1で9000ダメージ程度。

フルヒットするととんでもないダメージが…

雷撃機は条件がある程度揃わなければ効果的に運用することは難しいものの、対戦艦における影響力とダメージポテンシャルは随一です。攻撃機の項目でも記述しましたが、ダメージを出すためには雷撃は不可欠であり、この雷撃を効果的に運用できる状況を作り出すことがNakhimovを使用する上での試合全体におけるコントロールの目標かもしれません。

また、敵艦に対して縦方向からの攻撃になる場合には最も期待値が高い兵装になります。狭い海峡などに入られた相手に対しての唯一の対抗策にもなりうるため、特定のマップにおいては重要度が跳ね上がることも頭の片隅に置いておきましょう。

 

戦闘機の使い方は前回書いたので省略しますが、Midwayと異なる点としては対面にリヒトやインメルマンを引いた場合、母艦が狙われる可能性を考慮しやや自衛よりに戦闘機を使用する必要があります。

筆者の艦長スキルとアプグレは以下の通り。あくまで一例ですが、1枚目(制空)2枚目(汎用)です。1枚目はかなり独特な運用でもあるため推奨はしません。

2枚目は比較的マイルドな構成です。照準化と爆発物専門家であれば爆発物専門家を優先しましょう。火災を起こす可能性のある兵装の投下数が多いためこちらの方が効果が大きいです。

取得順としては制空権(1P)、エンジン改良(2P)、耐久系3種(計10P)は最低限揃えたいところです。爆発物専門家が時点で、安定化は取得推奨ですがなくても大丈夫です。ただ他のスキルでそこまで効果のあるものが多くないので隠れた脅威(4P)や近接信管(4P)など選択肢は多いと思います。

アプグレは下記が一例ですが、スロット4、5は選択肢があると思います。スロット4は攻撃機or爆撃機のヘルス強化ですが、これはどちらをより使用するかのスタイル依存です。スロット5は母艦の狙われやすさから隠蔽を取ったり、艦載機のもろさを補うために航空管制を取ったりと工夫があります。消耗品改良は戦闘機の時間+エンジンブースト時間が伸びるため個人的なお勧めです。スロット6は耐久強化よりも速度強化を強く推奨します。これは発艦後の推進ブースターに対しても効果が発揮されるためです。基本的に発艦回数が15回を下回ることは圧勝以外ではないと思うため効果が大きいです。

 

以上Nakhimovの解説でした。艦載機の攻撃性能だけで言えばTier10.5程なのでこの空母相手に近~中距離で火力勝負できる空母はいないと思います。ゆえに母艦が狙われやすいのかもしれません。とにかく母艦の位置(距離感)が大事ですので、火力で勝負できるからこそ盤面のコントロールが勝利のために必要になるテクニカルな艦艇かもしれません。(単純に殴るだけでも十分勝てるが)

次回はたぶんオーディシャスになりますが、その前に何か別視点の記事も書くかもしれません。長文にお付き合いいただきありがとうございました。