制空の部屋

空母の時代は終わった、競馬の時代だ

初動の索敵について~対面の判別と効率的な艦載機操作・指向方向について

オーディシャスの解説は諦めた。

 

今回は空母を使用することにおいて、最も重要といっても過言でない最初の2分間における効果的な運用と判断について解説していきます。

・そもそもなぜ最初の2分間が重要なのか?

まず、空母を説明する上で難しい理由として
外的要因が他の艦種よりも多く、ケース分けが複雑である
という点が大きいと筆者は考えます。水上艦においても試合中の判断というのは時に非常に難しいものではありますが、空母に関しては全方面に自由に関与できるという特性上、判断するべき項目が多岐にわたるためそれをより難しいものにしています。一方で今回のテーマである「初動」についてはそれら外的要因の振れ幅というものが非常に小さく、ある程度主観的に決定を下せるとも言えます。
(ちなみに、これは最終盤の艦艇数が非常に限定される場面においても言えることですが、それはまた別の機会に)

言い換えれば、空母を扱うプレイヤーの技量差が最も出やすいの一つです。
またここで効果的な動きを行えない場合、それが試合中盤以降に火力差・点数差として効いてきます。(特に高隠蔽艦の発見状態やエリアの防衛・占領支援

 

というわけで、初動で使える(比較的)簡単ですぐにでも実践できる小技を2つほど。
小技の解説のくせに文章量が多すぎる。

 

①マップごとの艦載機の動かし方

まず、ランダム戦でよくあるマップの傾向ごとに、艦載機を初動で向かわせるとより効果的な方角というものがあるので記載します。
前回の記事で説明したように、召喚戦闘機が召喚される方向というのは操作中隊のその時点での進行方向で決定されます。繰り返しになりますが、「南北は同じ方角」「東西は逆の方角」です。(よくわからない人は前回記事をもう一度読んでください

 

これを応用すると、北または南方向に向かいながらの召喚の場合には、自分よりも先行する位置に戦闘機が置けます。初動においては必ず敵艦隊の先頭艦は自陣よりも敵陣に近い位置に存在します。

つまり下記のようなマップ、陣営が南北でスタートするマップにおいては、敵陣方向に向かいながら戦闘機を召喚することで、自然と操作中隊より敵陣に近い位置へ戦闘機を出現させることが可能になります。

下記は一例ですが、赤丸を戦闘機の哨戒半径とした場合、矢印の方向に操作中隊が進んでいれば星の位置に戦闘機が召喚されます。1ライン側の例は少し外に向かいながら召喚を行うことで意図的に少し内よりに戦闘機を召喚しており、10ライン側の例ではそのまま真南への召喚を行っています。
召喚位置の使い分けについては、レーダ艦艇の付きやすいポジションや駆逐が比較的辿りやすい航路付近に置くといったさらなる工夫が必要ですが、話が逸れるここでは割愛します。

どちらの方面を優先するかについては、味方駆逐の位置や母艦のスポーン位置を考慮し
・空母から見て近いほう
・数秒できちんと動いた駆逐(割と大事)
・(駆逐が複数いてどれも動いた場合)エリアへの到達が早そうな方
などが判断材料でしょうか。

 

また、エリアが4つでひし形配置の場合ですが、これは下記の2パターンの母艦位置に合わせて艦載機を操作すると効率的に索敵ができます。

エリアが遠い場合には内側→外側の順で、エリア正面の場合には正面→外側の順で索敵するのが効率的です。

この理由について、
・両エリアとの距離がある場合には、踏みあいが発生してからの対応までに、どちらのエリアへ向かう場合も少し時間がかかります。つまり初動で両エリアへバランスよく関与することが難しいです。そのため内→外と片側の4ライン分を広く、かつしっかりと抑えることでそのサイドのほとんどの敵艦の配置を把握し、これから逆算することでもう片方のエリアの陣容を把握し、2回目以降の行動の正確性を高める狙いがあります

・エリア正面にいる場合には、基本的に正面のエリアへの影響力がかなり高い状態を維持できるため、まずは正面について踏みあいを遅らせるだけで十分です。正面エリアの外側(例でいえば1ライン)に駆逐が展開した場合も20秒程度で索敵に迎えるため、高位を取られても脅威度が低く、索敵をある程度おろそかにしても問題ないという考えです。(そもそも高威力魚雷の装填が初動の段階では間に合っていない(魚雷装填ブースターはさすがに1回目の装填完了前には使わないでしょう…)
正面→中央と正面側から逆サイドにかけての5~6ライン程度(例でいえば2~7ライン)を満遍なく把握し大まかな戦力分布が判明すれば問題ありません

 

次にマップのもう一つのパターン、マップの正方形の対角線が両陣営の中央となるマップです。

例のマップ(沖縄)の場合、敵陣への最短航路は南西方向に向かうものとなります。
しかし南西方向への操作で戦闘機を召喚した場合、戦闘機の出現は南東になります。(下記の画像のように)

これは敵陣に近い側の召喚とはならず、戦闘機召喚時の駆逐艦スポットの確立がかなり低くなってしまいます。なので、基本的に母艦から見て真北または真南にあるエリアを初動で索敵することで、効率的な索敵へと変換します。

応用として、下記のようにエリア付近で急旋回することで、少しポイントを内側にずらしたり…

あえて一回中央を操作中隊で大まかに索敵した後に、最も初動索敵が難しいエリアへアプローチしながら戦闘機召喚で索敵をするなど
(直接向かった場合開始30s程度で到達してしまい、駆逐が警戒してしまう+そもそもエリア近辺に到達していない)

上記は簡単な例ではありますが、基礎的な仕組みを理解しておくことで色々と工夫ができます。

上記のようなエリアは位置が少々特殊なマップについては、中立エリア二つを初動は抑えることを勧めます。
対角のマップは外周の奥行きがあるため、外側に大型艦が到達するまで時間がかかります。駆逐単独で高位を取られても、魚雷の射角も限定的であり少なくとも初動の段階では脅威度が低いとみなせるでしょう。もちろん南北方向の意識も忘れず、エリアを巡る順番は間違えないように気をつけましょう。

以下、イメージを具体的に持ってもらうための実戦での索敵例です。

以上でマップ特性ごとの艦載機の初動(指向方向)については終わりです。

 

もう一個読む元気と時間がある方は少しだけお付き合いください。

 

 

②初動での艦載機のチョイスと空撃ちの判断

2つ目は初動における空撃ちの必要性の判断と、どの兵装を選ぶかについて出す。
多少の好みもありますが、兵装について、ミッドウェーにの場合は攻撃機を選択しましょう。これ以上深堀考察すると制空と火力の宗教戦争に発展しかねないので…

初動における空撃ちの必要性についてですが、最初に接敵する駆逐艦によって判断します。例えばハランドやマルソーに9機で向かってもAAを使われると一回攻撃を通せるか…でしょう。まず往復は厳しいと思います。一方で島風やユエヤン相手であれば、単独で接敵した場合には往復が可能です。もちろん巡洋の防空圏内で行動されれば一回攻撃が限界ですが。当たり方によっては往復を嫌って煙幕を使用させたりということにも繋がります。

 

しかし、見えてない敵の駆逐艦の種類なんてわかりません。(駆逐1隻マッチであればさすがに判断できますが。)というわけで結局はマッチング表を見て往復できるかどうか、その期待値を考慮して空撃ちの必要性を判断します。

と話は簡単には終わりません。怪しい宗教勧誘みたいになってしまいますが、これをきちんと理解し完全に自分のものにできれば、初動で接敵する駆逐の種類を8割以上の確率で当てることができるようになります!!!
分隊組んだ人ならわかると思いますが、筆者の場合本当に8割以上当てます)

というわけで見えてない駆逐の種類を当てる方法を記載したいと思います。(あんまり書くといろんな方面から叩かれるかもしれない…)

まず、マッチングが成立しラインナップが表示された時点で以下の項目を確認しましょう。

・味方駆逐艦速力(大まかでよいので)
・敵駆逐艦速力対空(AAの有無等、基準は後述)
・敵の巡洋艦のうち、対空隠蔽=対空射程かつその距離が6.0~6.9kmの艦艇

Tier10を基準とした一例ですが、速力については
・仏駆・ソ駆(グロゾ除く)など45ノットを超える→速い
島風・岳陽・グロゾなど、通常仕様エンブ込みで40~44ノット→普通
・エルビング・シャーマンなど40ノットを超えない→遅い
で分類すれば十分でしょう。

※この分類は後の説明でも使います。便宜的に①グループ(速い組)②グループ(普通組)③グループ(遅い組)とします。


ここで判断に迷うのが緊急エンブを持っている艦艇ですが、正直なところ初動でこの消耗品を使われることはあまりないため、基本的にはスペックの速力で分類しておきます。

対空の強弱については、「単独で接敵した場合に全力で対抗された場合(AA使用+セクター強化された場合)に攻撃機での往復が可能か」を判断基準とします。
・マルソー、グロゾ、シャーマン、ハランドはAA込みでの往復は難しいです。
島風、ユエヤン、レゴロなどは、接敵タイミングが悪くても往復可能です。
接敵タイミングが悪いと往復できない微妙な艦艇については、「それらがマッチングに存在する」という前提で初動を組み立てます。

巡洋艦については、俗にいう軽巡洋艦が上記に該当します。これは覚えましょう。(初動に限らず試合を通して空母の大きな障壁となるので)

 

では試合の中での動きについて。

まず大前提として、味方駆逐艦の最低一隻がエリアに向かっている必要があります。例えば2隻マッチで2隻とも開幕転舵から外周方向へ進んだり、数秒間動かなかった場合には判断が一気に難しくなることを覚えておいてください。(これをやられても判断ができないわけではありませんが、相当の空母側の練度が必要になります)

※また、ここで説明する例は敵駆逐が戦闘開始時点で行動していることを前提としています。遅れてスタートやAFKは考慮しません。あえて低速で航行したりという駆け引きについても今回は対象外とします。(そのレベルをやられたらさすがにきつい)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

最近は潜水艦の出現によってこの技術もより一層難しくなっています。対潜水艦においては視界の決定権があちらにあるため、こちらの被発見レーダの精度が格段に落とされます。とはいえ潜水艦なしマッチであれば十分有効ですし、潜水艦+駆逐2隻程度のマッチであれば、応用することでまだまだ有効な技術と筆者は考えています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

簡単な例を4つほど。

まず1つ目ですが、1枚目は航空機の被発見が点いたタイミングのスクショです。このマップは対角マップであり、敵味方陣地の中央は黄色で示したラインとなります。

被発見時点での航空機の位置ですが、中央線をほんの少し超えた地点です。ここで注目すべきが味方マルソーの位置で、エリアに対して最短ではないものの最短航路に近い角度で進んでいます。つまり、敵駆逐は「ほんの少しだけエリア到達に対して時間的損失の発生したマルソーと、同等の時間で接近可能な駆逐」と判断できます。
この時点で③グループの駆逐ではないと判断できます。また②グループの場合は敵駆逐はエリアに対して最短航路で向かっていると決定できます。①グループの場合はエンブ未使用の場合や、味方マルソーと同じくエリア最短でない場合が考えられます。

ちなみに上記の画像の場合、中央の駆逐からの被発見のパターンも考えられるのですが、この場合も③グループについては最短でもH7マスから抜けることができないタイミングのため、どちらにせよ①か②グループで決定できます。

(朱塗りが①グループの想定位置、赤塗りが②グループの想定位置)
(黄色線は想定されるエリアへの最短航路です。)

この状況まで理解したうえでマッチング表を検討すれば、もう駆逐の艦艇名はかなり絞れます。どちらを優先するかはこの記事の前半で書いたように、接敵する場合に早いほうからなのでAエリアです。
Aで敵駆逐が見れればその時点でまず1隻スポットになりますし、いない場合にも中央に①か②グループの駆逐が向かっていることは判断で来ているためそこまで困らないと思います。

ちなみに正解は最短航路を辿っていた②グループの島風でした。マッチング表にマルソーとグロゾがいない場合には対空強の①と②が消えるため空撃ちが不要(A接敵の際には)まで決定できます。

2つ目ですが、分隊駆逐がスモランド(エンブ未使用)であるにもかかわらず被発見タイミングが中央線よりも向こう側です。(下記画像)

この時点で外周方向へも含めて①グループが消せます。②か③グループが確定しました。基準となる味方のスモランド(エンブ未使用)がほぼ損失なしでエリアへ向かっているため、②グループで大外orB方向、または③グループで7or9ラインであるとまで絞れます。あとはマッチング表とにらめっこして艦艇名を検討して下さい。このマッチでは③グループに属するハランドが居たため、空撃ちを行う判断をしました。

ちなみに正解は③グループのデアリングでした。予想通り9ラインに居ましたね。

3つ目が一番簡単です。味方のマルソーが開幕からエンブを使用してエリアへ向かっています。航路的にもロスがほとんどありません。

しかし上記画像の時点で被発見、タイミングは中央戦とほぼ同一かほんの少しだけ手前です。①グループの味方マルソーが損失ほぼなしで向かっているのに中央線前で見つかるので敵の駆逐も①グループ確定です。今回はB側からの発見もあり得ない位置です。(厳密に記載すれば、A側スタートでB向かいの駆逐はあり得るがその場合Aに敵駆逐が居ないことになる)

案の定①グループのマルソーが最短航路で迫っていました。

 

最後の例ですが、画像の位置で被発見が点きました。B側とC側のどちらの可能性も考慮でき、かつ①~③グループすべでの可能性がこの時点で残っています。

このままでは判断がつきませんが、こういった場合には強行偵察ではなく手順を一つ増やして解決します。

下記画像のように、中央に②か③がいる場合を想定します。中央で操作方向を整えなおして真南に召喚します。②または③グループの想定位置を補足できるように召喚しています。
敵駆逐のグループ判断が遅れた場合は安全を取って空撃ちしたほうがよいでしょう。マッチング中の②、③グループのラインナップ駆逐の中に強対空が1隻も居ない場合のみ不要と考えます。
(画像の空撃ちタイミングが記述のものよりも早いですが、筆者はこの手順に慣れているため中央線手前の段階で空撃ちしているだけで、記述のタイミングで判断でもよいと思います。)

しかし召喚した戦闘機で見つけることができませんでした。Bの西側からアプローチされている可能性は残っていますが、マップの半分は抑えれているのでここでC側を捕まえに行きます。

少しタイミングが遅くなりましたが、③グループのハランドを補足することに成功しました。

例のように一つずつ整理していくと、案外駆逐が何であるかは絞れます。実際はマッチング表も見ながらですので、少し慣れれば空撃ちの判断も迷わなくなります。厳密に判断できなくとも大まかにグループがわかるだけでもその後の試合の組み立てやすさが大違いです。(中盤以降にエリア転換されるたり、外周に走られることを予想できる。)

 

 

また説明が長くなってしまいましたが、少しでも読者の方の空母運用に役立てば幸いです。お付き合い下さりありがとうございました。