制空の部屋

空母の時代は終わった、競馬の時代だ

制空論(改)

タイトルの通りです。前記事のように、これまで投稿してきた記事に則った制空論で勝てる時代は終わりを迎えました。新時代に適合した、新たなる制空論をプレイに適用することが新時代の制空型空母には求められます。

本記事は以下の構成からなります。時間がない人は最終項目だけでも目を通していただけると幸いです。
※なお、便宜的にこれまでの制空スタイルを旧制空、この記事の結論でもある制空sタイルを新制空と記載します。

1.旧制空はなぜ勝てなくなったのか?
2.新制空の形において重要となる考え方(旧制空時代との差)
3.現環境において制空を行うために

 

1.旧制空はなぜ勝てなくなったのか?

まず、旧制空の影響力が落ちた理由についてです。空母型の性能はほとんど変更がないため外的要因にその理由があると考えられます。

筆者なりに思う部分をいくつか記載しました。

 

①新規実装艦の対空強化

これは原因の大きさとしては小さめですが、新規艦艇は基本的に従来より対空値(対空ダメージ、爆発数)が高めに設定されています。このゲームの抱えるビジネスモデル上致し方ない部分ではありますが、その方向性にシフトしてから時間が経過したため、現環境で対空が低い艦艇の遭遇率というのは間違いなく低下しています。

ここ最近実装されたT10ツリー艦艇として、

淀(AA持ちかつ長距離対空)
ジナン(AA持ちかつ素の対空超高、煙幕持ち)
ヴァマント(戦艦にあるまじき対空と高回転修理班)
ヴィンセント(AA持ちかつ超回復
ハウデン(最強対空)
サンマーティン(AA持ちかつ長距離対空)

レゴロやエルビンなど対空が低い艦艇も居ますが、これらは駆逐艦なのでそもそも見つけるまでの手間がかかります。(対空隠蔽は悪め)
上記にない艦艇は後々出てきます。

すなわち、以前に比べ敵方の平均対空ダメージと対空距離は増加傾向にあるため、空母側から見た際には損耗率が激しくなっており、残機管理がよりシビアになっています

1回の攻撃における難易度が上がるため、火力型に比べ攻撃機会を減らす分効果的な敵艦に対して攻撃を行う…というプロセスにおいて、さらに攻撃機会を減らす必要が生じる試合が多く、主に火力面でのマイナス要因となっています。火力型に比べ非常にダメージ量が低いだけに、割合から見た場合の影響が大きいです。

ただこの部分はプレイヤー側の力量依存が大きく、また与ダメの上限が無限とはいえ実際には理論的な上限がありそこからどれだけマイナスが発生するか…という話なので、本要因は旧制空の影響力低下の主要因ではないでしょう。

 

②潜水艦の普及と対潜爆雷機の仕様

この部分が非常に影響しています。1年前からアーリーアクセスやテスト段階として潜水艦は存在していましたが、現在は5戦やれば1~3戦は潜水艦がいる、という状況だと思います。潜水艦の厄介な点は「敵方に視界の優先権がある」という点です。例えば潜望鏡深度であればこちらから発見するためには直上に向かう必要がありますが、こちらの艦載機はスポットを受ける形になります。敵の意識外からの攻撃を行いづらくなった結果、敵が航空攻撃前に構える時間が増加しました。

加えて敵潜水艦はさらに深く潜ることで、絶対に発見されない状態に移行できます。接敵時の深度にもよりますが、直上に立つ前に潜り切ることも可能なため、空母側から能動的に仕掛け、潜水艦を効果的に仕留めるという行為は非常に難しいと思います。
※ただし味方潜水艦などと協力しての対処は効果絶大です

 

次に潜水艦は当然ながら水上艦のスポットも可能です。この部分は駆逐艦も同様ではありますが、駆逐艦は対空隠蔽を0にできないため、こちらが強制的に関与しラインを下げさせる、あるいは撃沈が可能でした。潜水艦は上記の通り干渉が難しいため視界のコントロールという面でも難しくなっています。

 

そして対潜爆雷について、これは哨戒戦闘機に対して対潜爆雷機を使用することで戦闘機を反応させ、効果時間終了より前に帰投させるというものです。召喚戦闘機による大型艦のスポットやエリアに対する防衛(以前の記事参照)がほぼ無力化されており現時点で空母は戦場において視界をコントロールする艦種とは言い切れなくなっています。

 

③航空戦艦(ハイブリット戦艦)の登場

個人的にはこちらの方が潜水艦よりも影響が大きいと思います。航空戦艦の仕様はご存じかと思いますが、爆撃機(キアサージは攻撃機)が消耗なく準備時間で使用可能です。ほぼ2分毎に航空機が発艦するのですが、この仕様は発艦時に準備時間のカウントが始まるため、実際は試合時間の3~4割は航空機を飛ばすことが可能です。この航空機は視界共有も有するため、非常に厄介です。(2と同様に視界のことロールが空母側でできない)

また航空戦艦は特性上配置が後ろよりになるため、敵の前線までの距離がやや伸びる傾向にあり、艦載機効率の低下も招きます。(これは損耗率の低下とペイオフのため、一概に悪いとは言えませんが)

 

2.新制空の形において重要となる考え方(旧制空時代との差)

 

さて、1項では空母の影響力の低下、主に視界のコントロール面での話をしましたが、ではなぜこの部分が低下することで勝てなくなるかについてです。

視界が以前より取りやすくなった、言い換えればスポットの手段が多様化したことにより、視界の安定性と隠蔽性の担保は空母対駆逐、空母対空母の対決に大きく依存する構図から、それぞれの艦種プレイヤーの技量に依存する形態へと移行したといえます。
これにより、単純に火力を効率的に吐ける(XVM的にいえば「平均ダメージが高い側」)が一方的に敵をすりつぶす展開が多くを占めるようになりました。

 

以前は味方は位置と平均ダメージを考え、抑え側と押し側のラインをそれぞれビルドし多少不利なマッチでもうまくバランスを取る…ということができましたが、現在は潜水艦・駆逐・航空戦艦・空母それぞれの視界により抑え側の隠蔽性を担保することができず、片側の崩壊を空母として止める手段がなくなったため一方的多展開が増えたように思います。

 

では新制空においてなにが必要なのかですが、これは上記した視界の安定性(攻撃面)と隠蔽性の担保(防御面)のとらえ方の改革になると思います。視界の多様化によってこのどちらもが崩れた以上考えを根本から直す必要があります。

 

まず敵味方のプレイヤーの力量については、個人で同行できる話ではないので、重要となるのは火力の強化と多様化が進んでいるなかで、フォーカスを上手くコントロールすることです。
一般的なプレイヤーは「ダメージが期待できる敵」か「撃沈できそうな敵」を攻撃する傾向があります。

そのために、旧制空のように「幅広く視界を取って選択肢を増やす」(味方が火力を出しやすい選択をできるようにする)というやり方から「落とせそうな敵を作りフォーカスを誘発する」というやり方へのシフトが必要だと思います。
この辺りは火力型空母とも共通する部分がありますね。
一方でこれを意識するだけでは火力型の劣化版のようになってしまうので、制空型独自の味付けも必要になってきます。

本項のまとめとしては
・空母が視界をコントロールする環境ではなくなった(視界の多様化)
・味方が受動的にフォーカスを行えるような試合運び
が必要であると理解いただければよいです。そしてそのためには各種兵装の使用比率と、試合全体での攻撃強度の強弱に対して旧制空よりも意識を置くことが重要になります。

 

3.現環境において制空を行うために

さぁいよいよ本題です。新制空における必要要素ですが、まず旧制空から割り引く要素を2つ挙げます。

・敵駆逐に対しての干渉比率
・哨戒戦闘機によるスポット

理由については前の項までに記載しているので割愛します。


一方で旧制空と比べて意識が必要・あるいは変える必要があるのは

・攻撃中隊によるスポット
・攻撃優先度の変更
・艦長スキル構成

主な点は上記だと思います。細かい点はまた気が向いたときに、今回は大雑把な枠組みだけ

まず艦長スキルについてですが、4Pの強化型反応速度は外したほうがいいです。ほぼ一発で対潜爆雷を追いかけてしまうというマイナス要素があり、防空面でのプラスもありますが4Pに見合うとは言えないでしょう。代わりに取る候補となるのは爆専(AP系がない空母)、近接信管、雷撃機あたりでしょうか。これらはどれも火力系のスキルとなり基本的に艦艇に合わせて程度伸ばす形が好ましいです。

 

次に攻撃(偵察を兼ねる)優先度についてですが、これは駆逐への干渉度をかなり下げましょう。視界の多様化によって駆逐の影響力が相対的に落ちており、以前よりも干渉するメリットが少なく、空母としての運用に影響してしまう分マイナス面が表れやすくなっていると感じられます。

詳細を書くとかなり細かくなるので書くとしたら別記事ですが、以前のように

「戦線に対する影響力(艦種)」+「位置取り」+「ポイントへの影響度」(ここは撃沈Pや占領など複合的)

をメインの関数とした考えから、大まかには

「位置取り」+「フォーカスのしやすさ」(ヘルスや艦種)

の関数への移行が必要になるわけです。もちろん占領されている場合のその艦艇へのスポットや防空なども無視できるわけではありませんが…
そしてこの考えによって変わるのが兵装の使用比率であり、従来より1テンポ早めに雷撃を出す必要があります。白龍はもとより雷撃メインでですが、ミッド・オーディ・リヒトなどは雷撃のタイミングを早くすることが求められてきます。これは兵装ごとの姿勢強制力の差に起因するものです。

そして攻撃中隊によるスポットですが、旧制空に比べ攻撃機会が増加することを利用し「あえて攻撃しない」時間を、言い換えれば時間と攻撃密度の空間を作ることが大切です。単艦であったり対空が低い相手を殴ればいいというわけではなく、あくまで効果的なところを攻撃する以上、それが高対空艦出ある場合も少なくありません。そういった相手に対して安定した攻撃を敢行するためにはある程度の残機が必要で、そうでない場面ではあえて抑えて中隊によるスポットを行うことがかなり効果的です。(この部分は実際に運用してみて想定以上に効果がありました)

 

概略を書いてあとから補足記事を出すつもりでしたがかなりの量になってしまいました。筆者自身まだランダムにおける試行数が足りていない部分もあるので、もう少しに詰めてから詳細を書くようにしたいと思います。

一気に書いたのでちょっと雑だったり記載が怪しい部分があるかもしれませんが、ここまで読んで下さりありがとうございました。