制空の部屋

空母の時代は終わった、競馬の時代だ

母艦の配置について

今回はそこそこ悩ましい母艦の位置取りについて

 

先に母艦位置が高い場合のメリット・デメリットを列挙します。

母艦位置が高い場合のメリット
航空攻撃のレートが高くなる
・味方艦艇との距離が縮まる→戦闘機での防空がしやすい
敵艦艇の接近を感知できる

母艦位置が高い場合のデメリット
被撃沈率の増加、被命中率の増大
・艦載機消耗度が高くなる

メリットの裏側にデメリットがあり、これらは相関関係にあります。
これらの前に、まず大前提となる誤った位置取りを理解することから始めましょう。

1,敵主力艦に対し(有効射程内で)側面を晒す

これは直感的に理解しやすいと思いますが、主力艦隊に対して側面を晒し続ける場合には単純に被ダメージ期待値が上がります。特に航空母艦のほとんどは船体装甲も脆弱であるため、戦艦砲がまともな角度で入ればバイタルに刺さる確率は高いです。

よく見るのは下記のようなパターン…

①味方の撤退に気づかず側面を取られているパターン

これは敵の前線と味方の後退線を把握できていないことが多い。航空発見を完全シャットアウトは難しいが、敵駆逐や巡洋艦によるスポットはある程度前もって感知できるはず。

 

②戦線負けしていて姿勢変更が遅れた場合

①ほどではないがこちらも注意不足。押され始める直前で敵のプッシュ方向に対して注意を払ったとしても、本当に安全と言い切れる?

 

③開幕の不注意転舵


割とよく見る。特に大和やスラヴァがいる場合に注意。空母が互いに中央スタートの場合は気を付けよう。

①、②は戦線を大雑把でも把握できていれば問題ないはず。③は開幕の不注意でしかないので後述することをやれば防げる。(超空母除く)

 

2.戦局が安定していないうちに島裏に向かう

これも結構タブーなのですが、中盤で母艦を島裏ベタ付けする空母も一定数存在します。島裏は射線が通っていない場合には砲撃に対して安全位置ですが、リスクも抱えます。

上記画像のように、味方がサイドに寄った場合の敵駆逐の中央突破の危険があります。ここで問題なのは味方が開いていることよりも、母艦が島裏ぴったりについてしまっていることです。これによって射線が切れているために敵駆逐が接近していることに気づけません。
空母戦場ですから敵航空機による母艦スポットは少なからず発生するでしょう。敵駆逐の性格次第では肉薄を狙ってくることもあるため、リスクがあるうちの母艦の島裏配置は極力控えましょう。

とはいえ、終盤の競り合いでは母艦のレートは上げる必要があり、必然的に島裏に向かうことは多くなります。島裏=NGなのではなく、あくまで不安定な戦況での、肉薄による一撃リスクを孕んだ状態でのベタ付きがNGです。

 

というわけで、上記のように迂闊な側面晒しや島ベタをなくし、程よく前に出れば母艦の位置としては次第点でしょう。

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というのはあまりに雑なので実戦例をいくつか示して読者様に具体的なイメージを持っていただければと思います。
基本的な配置・姿勢に対する考え方については以前の記事「制空領域を意識した戦線管理について」にて細かく説明したつもりですので、ここでは大まかな考え方だけ記することとします。

 

実戦例①ノーマルプッシュ(サイドから)

下記は試合開始直後、分隊含め右側スタートです。中央スタートの艦艇がこちらに多く向かったため、プッシュは8~10ライン側にする必要がありそうです。

 

上記画像から約5分、隻数の有利もありC側は押し切りました。島風の位置を細かく更新し母艦の安全を取りながらじわじわと前進します。

 

上記画像からさらに4分、だいぶ隻数が減りましたがここで敵のヴィンセントのリプッシュがあります。事前に補足・リプッシュを予期できていたので、敵の予測進路と母艦の間に島を挟み、側面を撃たれることを防いでいますね。

 

ヴィンセントを落とし切れたためさらに前進。この状態では側面を取る相手はおらず、最終決戦である中央に対して非常に好位置に母艦が付けれています。

 

片面を崩しつつ、側面ケアも忘れず安全サイドで試合を進行できた試合でした。

 

実戦例②ノーマルプッシュ(中央から)

下記は試合開始から約5分後、中央が空いており敵駆逐の位置も判明しているため転舵可能と判断しています。戦線の記事でも使った試合ですが、中央プッシュに合わせて左押しを選択しています。

 

上記画像から約4分でAサイドは決着。島風が落ちた場合、正面・側面共にかなりのスペースができてしまうため、少し前気味に母艦を進めます。正面の敵が引き撃ちなので相対速度的にも先行気味に動かすメリットが大きいと判断できます。

 

上記画像から約2分、島風が沈んだのでさらに前へ。3ラインの島に張り付き、A・Bのエリアのホールドを狙います。側面になりうるクレムリンだけ落としておけば母艦は安全ですね。

 

最終局面。ハランドに一時Bエリア侵入されましたが圧倒的航空機レートで留まることを許しません。

 

 

実戦例③パワープッシュ

次はパワープッシュの例です。パワープッシュと筆者が勝手に呼んでいますが、要するに「母艦をある程度リスクにさらしながら敵をすりつぶす」プッシュです。少し撃ち合い不利であったり形勢が芳しくない際に用います。

下記は開幕して約6分、サイドスタートなので母艦側をプッシュしたいところ…ではありますが正面に敵戦艦3枚がおり、Dエリア内にデモインが鎮座する厳しい状況です。

 

上記画像から間もなく。10ライン側の味方戦艦が中央へ転進してしまいました…こちらは分隊戦艦1枚のみで1vs3となるため、じり貧になることが想像できます。

 

戦艦のヘルスも考慮し、中央側のレピュと射線が切れるタイミングで思い切って前進。ちょうど6Eの島で遮られていますね。駆逐の位置についても戦闘機展開で踏み込めないよう制御し、中央へ逃がしておきます。

 

最終的にコンカラーと相互発見状態となり、2万5千ほどダメージを受けましたが、超回復1回使用後にレートですりつぶし切りました。粘られるととても厄介な船ですが、装甲がそこまで厚くないため高レートの攻撃には弱いですね。

 

敵の位置も確認しながら強力なプッシュ。C側でしのぎを削った空母戦も決着です。最終的にA外を取られており、中途半端に中央へフォーカスを変えていれば両サイド崩壊の危険性もあった試合でした。

 

実戦例④母艦を発見させる

最後にちょっと難しめの例を一つ。下記の展開は味方巡洋がAFKで盤面11vs12とそもそもが劣勢な試合です。キャプは2-2と拮抗ですが、D正面は敵の駆逐2隻がおり、味方1隻で消耗戦を強いるのは不利です。

 

下記の時点では航空攻撃での防衛が難しい(煙幕使用された)ため、駆逐に踏み合わせて力技で防衛を狙います。しかしジリジリ敵スモランとヘルス差が生まれていき苦しい状況となりました。

 

そこで下記の配置です。若干のリスクを含みますが、敵駆逐がDを踏もうとアクションを起こした時点で先に母艦が発見されるため、踏まれる前にスポットへ向かえます。自分で敵の駆逐を察知できるため判断も迷わなくなりますね。仮に10ラインへ回り込まれた場合も「母艦:隠蔽、航空機:発見」という状態になるため察知可能です。外側が狭いことの利点をしっかり利用した配置となっています。

 

実戦において、空母の位置取りとして「強い位置」、「強いサイド」、もっというと「空母が強いマップ・弱いマップ」というのは存在します。簡単な例を挙げれば大海原の空母は正直きついです。二人の兄弟は中盤の段階で4or7ラインに容易にたどり着けるので、片側崩壊していなければ空母の影響力が極めて大きいマップです。

パターンとして多すぎるため細かく明記しませんが、経験を積めば理解できるものです。ぜひ意識しながらランダム戦を戦っていってください。

 

最後に、空母の位置取りを意識する上で
・沈まない

これを大原則としてください。まずは安全サイドから始めてみてよいと思います。少し慣れてきたら「ちょっと前に出そうかな?」と少しずつラインを上げてください。

当然何十戦と経験を積む中で、戦艦に不意の一撃をもらったり、駆逐に予想外に詰めらたりと失敗もすると思います。それもいつかの接戦を拾うための糧になるはずです。むしろそういった失敗こそ覚えておきましょう。(実際心境的には難しいですけど

 

そして、島裏に到達すること、高い母艦ラインを取ることはゴールではありません。
・有効な位置について、どう試合に影響を与えるか?

こそが真の目的ですので、忘れずに…
何回も言いますが、攻撃を当てたりしっかりとしたスポット・索敵を行えなければ影響力は出ません。まずはそっちから練習してください。

 

あと、母艦の位置なんて野良の味方はほとんど気にしていませんし、大して影響しません。「戻れ!」とか言われても自分の考えを信じたほうがいいです。

それでは今回はこの辺りで失礼します。お付き合いいただきありがとうございました。