制空の部屋

空母の時代は終わった、競馬の時代だ

哨戒戦闘機の運用についての考察

過去記事(といっても1年近く前ですが…)でその構成要素について一通り書きました。
その中で戦闘機についても記述していますが、今見返すとこれで何が理解できるのだろうと思いました。というわけで現環境における戦闘機の使い方について、言語化できる範囲で記載をしていこうと思います。

 

※解説の前に
ここで指す戦闘機とは、攻撃中隊の消耗品である「哨戒戦闘機」を指します。母艦から被発見時に発艦するものや水上艦艇の直掩戦闘機は含みません。また艦長スキル「迎撃機」(3P)は取得していない状態としま。これは迎撃機の効果に含まれる「敵戦闘機を攻撃しない・無敵である」「敵艦艇をスポットしない」という部分がこの後の記載と矛盾するためです。
また、基本的にTier8~10の空母における哨戒戦闘機を対象とします。Tier6や超空母のものは今回は対象外です。

 

以下解説です。

・戦闘機の性能について

哨戒戦闘機の性能自体が艦艇によって少し異なりますが、基本的には以下の通りです。
T8空母:機数5、動作半径3.0km、効果時間60s、使用回数3回、基礎HP163
T10空母:機数7、動作半径3.5km、効果時間60s、使用回数3回、基礎HP203
上記の例外はエンタープライズ、チカロフ、インドミタブルです。

 

これに影響するものは下記のとおりです。

・アップグレード「飛行中隊消耗品改良」:効果時間+50%
・アップグレード「飛行機体改良2」:HP+7.5%
・アップグレード「航空管制改良2」:速度+5%
・艦長スキル「索敵掃討」:哨戒半径+10%
・艦長スキル「偵察機リーダー」:使用回数+1回
・艦長スキル「迎撃機」:敵戦闘機に無干渉艦艇スポット不可、哨戒半径+10%
・艦長スキル「強化型反応速度」:効果時間+25%、到達時間+25%、反応時間-80%
・艦長スキル「抗堪専門家」:戦闘機のHP+25×Tier数 ※特殊艦長は+30×Tier数
山本五十六固有スキル「消耗品秘蔵」:使用回数+1回
・クズネツォフ固有スキル「緊急リザーブ」:使用回数+1回

※一応思いつく限りトレモで検証しましたが、漏れがあったらすみません。
隠蔽アプグレは戦闘機に乗らない一方、速力・ヘルスのアプグレは乗るみたい?

 

例えばですが、艦長スキル・アプグレ共に未取得の紹介戦闘機中隊のヘルスは1421ですが、抗堪専門家を取得し飛行機体改良2を取得した場合には3408となり、およそ2.4倍のヘルス差になります。この知識も後で少し必要になるので頭の片隅に置いておいてください。

また哨戒半径≠旋回半径ではありません、あくまでも敵機に対して反応する境界の半径となります。(実際の半径は2km程度)これも敵艦スポットの際に関わってきますので注意が必要です。

最後に、哨戒戦闘機は一般的には哨戒円の中心座標のと出現タイミングのみ操作が可能ですが、実際の運用においては下記の記事の内容が非常に重要となります

kawaii-14.hatenablog.com

※必読!!!!!!

少し長くなりましたが、各使用法について(といっても筆者なりの分別ではありますが)、その重要度と難易度も混ぜながら記述していきます。

 

 

①敵艦艇のスポット(障害物が少ない場合)…重要度3、難易度1

まずは開けた海域の敵艦艇のスポットについて、これはもっとも一般的で多くのプレイヤーが行っているものです。自軍の戦闘機と敵艦艇の間に障害物が存在せず、かつその距離が敵艦艇の航空発見距離よりも短い場合にスポットが発生します

上記は一例ですが、召喚した戦闘機と敵艦艇の間に障害物がないため、Cサイドから撤退する敵艦艇がスポットされています。継続的なスポットにより味方の火力投射を支援することができます。撤退する相手の場合相対距離が開くため時間経過とともにスポットが切れる一方、定点にとどまる艦艇は効果時間中ずっとスポットが期待できるほか、敵艦艇の前進に合わせたスポットの場合進行を遅らせることも可能です。

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※現環境において、対潜水艦を目的とした対潜爆雷機機に対して戦闘機が反応してしまうことを利用した、哨戒戦闘機の対艦艇からの剥がしがあるためこのスポット方法は以前よりも弱体化しています。最大で11kmまで投げれるため、ほとんどの艦艇の航空発見距離を超えており、効果時間いっぱいまでスポットを続けることは難しい環境です。ただ対潜爆雷機の投げ方によっては反応しないケースもあるため、このスポット法を最も使用する場合には、艦長スキル「強化型反応速度」を取得しないことを推奨します
これは上記を取得した場合に反応速度が速すぎるがゆえ、確実に対潜機を補足して攻撃に移行してしまうためです。

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とはいえ先述したように、最も視覚的にもわかりやすく平易なスポット法ですので、これまで運用を意識していなかった方はまずはこれから始めることをお勧めします。

 

 

②敵艦艇のスポット(障害物が存在する場合)...重要度4、難易度3

①の運用と類似していますが、これは敵艦艇と味方艦艇の間に障害物が存在する場合に敵艦艇を上空からスポットすることは、①よりも効果的です。

上記は1例ですが、Aエリア周りの障害物によって、味方艦艇と射線が通っていない艦艇がいます。(画像だとAサイド敵艦艇群のうち北側の3隻)
射線がないため航空スポットがない場合に、敵艦が発砲した際のペナルティがなく一方的な火力投射を許す危険性があります。これを抑止することで味方艦艇への射撃効率を低減するとともに、本来発見できない艦艇に対しての味方の火力投射を可能にしています。①に比べて味方の射線を(おおまかにでもよいので)意識する必要があるため、運用の難易度は高くなります。
特に駆逐艦が2~3隻いるマッチにおいては駆逐のスポットと競合しない形・射線でのスポット(これ本当に大事)によって局所的にダメージ差を作り、戦局を優勢に持っていくことも可能ですので、①の運用に慣れた方はこちらに移行するとよいでしょう。

 

 

③敵艦艇のスポット(召喚方向操作による強制スポット)…重要度5、難易度5

①、②のようなスポットで対空発見距離>対空砲射程の艦艇や、対空距離=被発見距離の場合でも長距離対空砲の秒間ダメージがそこまで高くない艦艇のスポットは十分に行える一方で、駆逐艦や高対空艦(対空隠蔽=対空距離)の継続したスポットは難しいものがあります。仮にスポットを行った場合も数秒~十数秒で撃墜されるため安定したスポットは難しいでしょう。
一方でこれらの良隠蔽艦(特に魚雷を有する駆逐艦)については、スポットの重要性は非常に高く、空母のメインタスクの一つともいえるでしょう。
そこで先ほど記載した記事中にある哨戒戦闘機の召喚方向を利用した強制スポットを行います。

これらはあくまで召喚時のみのスポットであり継続的なスポットではないため、「失探をマップ上に残す(味方への共有)」「空母に脅威となる対空艦の位置を把握し試合を通した攻撃の組み立てを補助する」運用となります。
事前にその領域付近に高対空艦がいるという情報だけでも、攻撃中隊の操作を少し慎重に行ったり、往復が難しい場面では空撃ちを行ったりと損耗を減らす動きができます。

下記はいずれも強制スポットによる補足となります。(特に駆逐艦

このやり方を実行するにあたって、
・どの方向から召喚されるか(繰り返しになりますが紹介記事参照)
・スポットしたい対象がどこにいるか(いる可能性があるか)
の2点を抑えておく必要があります。

初動においては駆逐は占領エリアor外周に向かう傾向が高いため、攻撃中隊の被発見のタイミングを重ねることでかなりの精度でのスポットが可能です。(1枚目、2枚目)
また3枚目のようにエリアを踏まれている場合も同様ですね。多くの場合敵陣に近い側で踏まれているor障害物で射線を切られているため、非常に有効な発見方法です。

また、艦長スキル「索敵掃討」を取ることでそもそもの召喚位置が何も取得しない場合に比べ哨戒円の中心から遠方になります。艦長スキル「強化型反応速度」を取得する場合召喚時間が25%増えるため、この強制スポットの時間が25%増加します。微々たる差ではありますが、スポット確率を艦長スキルで上げることも可能です。
さらにこのやり方は重要なスポットを行える一方で、試合を通した戦闘機の消耗とスポット時間そのものが短くなるため、艦長スキル「偵察機リーダー」で回数を増やしこれを補完する必要性も高くなります。

敵の位置予測が必要という点で他のスポット方法よりも難易度が上がりますので、あくまで知識として知っておくだけでも十分です。

 

以上が筆者の考えるスポット方法3種でしたが、これを利用することで下記の運用ができます。

 

④置き戦闘機による行動制限…重要度4、難易度5

下記は敵艦に行動されたくない領域に、あらかじめ戦闘機を展開することによって行動制限を掛ける運用です。1枚目は敵駆逐が初動でエリアを踏むことを未然に防ぐor来た場合には被発見をつける働きがあります。特にギリシャのような争うエリアが2つに限定されるマップの場合には、初動においては空母側で2キャプの争いをコントロールすることも難しくはないのですが、攻撃中隊はあくまで一つですので補助としてこの運用が効果的です。

2枚目は敵駆逐(スモランド)がこの後向かうであろう方向を縛る働きがあります。展開位置はAB間ですが、この後にAエリアと味方ベネチアの間に中隊を向かわせることで、敵として効果的な行動の両方を潰しに向かっています。働きとしては1枚目と同様に、攻撃中隊で向かわない側の補助です。

この運用はマップによってタイミングが変わってきますが、試合中盤以降の戦線が入り組んだ場合に、「ここに駆逐に入られたらまずい」「このあたりから魚雷を流されると被害が大きそうだ」というエリアへの置き方が主になると思います。敵駆逐の大まかな位置と味方の距離感、エリア周りの状況(点数含めて)を総合的に見ながらの運用のため突き詰めるとキリがありませんが、なんとなくのイメージはつかめるのではないかと思います。
この運用は筆者が言う「制空」の根幹となる運用ですので、この運用を効果的に行えるようになれば、試合全体のコントロールがとてもうまく行えると思います。

 

これら①~④の運用を行うにあたって、少しでも効果を上げたいのであれば艦長スキル「抗堪専門家」の取得を推奨します。諸元解説でも記載しましたがHP差は2倍以上になり、特殊艦長まで考慮すると最大で2.5倍の戦闘機のヘルス差になります

例えば敵の長距離対空が100とした場合、未取得の場合は15秒間のスポットですがヘルスを強化すれば35秒に膨れ上がります。もちろん中/長距離の変化もあるのでここまで極端ではありませんが、体感で1.5倍以上のスポット期待値増加が見込めると思います。

 

 

 

これ以降はスポット目的以外での運用になります。

⑤味方艦の直掩防空…重要度4、難易度2~3

場面は限定的ではありますが、いわゆる「防空」の運用です。現空母の仕様で完全な防空は不可能と言えますので、
・残り体力が少ないもののこの攻撃を別に向けることで生き残れ、残り時間で十分な働きが見込める艦艇(島風などの雷駆や、回復を残している戦艦等)
・敵視点で撃沈が絶対である味方艦艇
・占領中の駆逐艦(踏みあいがなく、敵のレーダー艦艇が周囲にいない場合)
などが対象になると思います。

基本的には試合の中盤以降、ある程度ヘルスが減ってから意識しだす運用です。(エリア占領支援を除く)
特に戦艦が回復をもう少しで使えるという場面での効果は絶大で、味方のヘルスプールの回復となるため終盤においては重要な役割になります。


味方の防空を行うにあたって必要なのは
・敵がどの兵装で攻撃してくるか(どの侵入角だとダメージが大きいか)
・被攻撃の際に味方がどの姿勢、どの位置にいるか
の2点となります。
兵装については大まかに
攻撃機雷撃機・反跳爆撃機→横から
急降下・緩降下爆撃機→縦から
ですのでその時の敵空母の兵装に合わせて、また守りたい味方艦艇との相性も加味して置き位置を変更するとより効果的です。

例えば駆逐艦を守るなら爆撃・ロケットは驚異ですが雷撃は脅威度が低いため無理に守りに向かわなくてもよいでしょう。(瀕死の場合のスポットは考慮する必要あり)
逆に残り12000くらいの戦艦に対してロケットのキルは難しい(貫通力次第ですが)ので雷撃・爆撃に対してのみリアクションするなどです。
1枚目は味方の島風に対しての防空ですが、最も脅威となる爆撃機向け防空を行っています。爆撃機の場合敵機の直上に一度到達すつ必要があるため、防衛対象を中心とした領域を展開します。
2枚目は味方のコロンボの転舵に対しての防空です。敵は雷撃機であるため横からの侵入に備え、直上よりも敵陣よりに展開しています。また敵雷撃機の到達の際の予測位置に合わせ、現在地よりもやや外側に向けています。マップ端まで覆うことで敵の選択肢を減らしコロンボへの攻撃をあきらめさせるor内側からの雷撃を強要する(この場合味方巡洋との防空圏になるため被害が大きくなる)ことができます。

ある程度空母に慣れていれば、自分がどういったシチュエーションで攻撃を狙うかということを相手視点で考えればこの防衛対象は判断できると思います。敵側の視点が不明瞭なため絶対的ではありませんが、かなりの指標となるはずです。

最後に、接近戦を仕掛けていたり、相手と島を挟んで向かい合っている艦艇への防空は正直なところ行わなくてもよいです。というのも戦闘機が敵の対空で消耗するためです。こういった場合には相手と1対1の交換を狙いましょう。

 

 

⑥母艦の防空…重要度2,、難易度2

基本的な考えは⑤の防空と同じです。敵の兵装に合わせて戦闘機の位置を調整します。ただ母艦の場合は比較的マップの端にいることが多い点と、動きが鈍重でありかつ回復がないため両サイドをカバーする必要があります。(厳密には艦長スキルや軍拡モードでの回復はありますが…)

2枚目のように片舷をマップ端に、もう片舷を戦闘機でカバーすることで敵の航空攻撃をシャットアウトできます。マップ端以外にも味方の防空圏や、地形・島といった障害物でも同様の効果が見込めます。
防空とは少しそれますが「二人の兄弟」マップの中央水路などに母艦を入れた場合、両サイドからの攻撃に必要な幅と高度が不足するために基本的には縦方向からの攻撃のみを警戒すればよく、対象が爆撃に限定しやすいため直上防空のみに切り替えるなどの工夫があります。

母艦防空は味方艦への防空の延長でも十分対応可能なので特に生き残りが必要な場合でもなければそこまでの意識は必要ないとは思います。

 

防空に関しては戦闘機数7に対して攻撃中隊数はそれ以上がほとんどなため、完全シャットアウトは難しいです。あくまでも往復させない、あるいは消耗させて次回攻撃以降の脅威度を下げると思ってください。
防空を意識するならば、艦長スキル「強化型反応速度」はなるべく取りましょう。
1度目のアクションで敵にバレてしまうものの、防空意識を向けた場合の敵空母への大きなプレッシャーにもなります。
基本性能が召喚時間6s+反応時間5s(計11s)のところ、取得した場合召喚時間7.5s+1s(計8.5s)となります。この2.5sのリードは実際に使用してみるとなかなかに大きいため、一度は試してみる価値があると思います。

 

 

⑦敵戦闘機の剥がし(ドッグファイト)…重要度2、難易度1

最後に敵戦闘機とのぶつけ合いです。先述したように現在は対潜爆雷機の影響でほとんど必要がなくなりましたが、運用としては可能なので軽く記載しておきます。

基本的にこれが必要となるのは
・弱対空あるいは対空が破壊された艦艇に対する防空の剥がし
・対潜哨戒機範囲外でスポットを行う敵戦闘機の剥がし

となります。場面もそこまで多くないため参考程度に。

画像は敵の島風を防空する敵戦闘機を消滅させるために使用しています。周りに他の敵艦艇がおらず、島風の対空では撃墜が難しいために敵の戦闘機とのかみ合いが発生します。
噛み合うタイミングや向きでヘルスの消耗が変わりますが、同じタイミングで反応した場合にはヘルスが多いほうが機数を残して撤退します。1機でも残った場合、撤退までの数秒間スポットが行われるため、多少なりとも有用です。
また、敵戦闘機が1機の場合でもそれをこちらの戦闘機で撃墜した場合には全機撤退します。
仕様として
・敵航空機(直掩戦闘機や対潜爆雷機、空襲機含む)に1以上のダメージを与えた場合
・効果時間(最短60s, 最長112.5s)が終了した場合
の上に該当するからです。逆に言えばダメージを与えていない場合たとえ1機しか残っていない場合も効果を発揮します。

 

戦闘機について筆者が思いつく限りのことを書いたつもりです。まだ不足している部分があるかもしれませんが、特に①~④については意識することで第4の兵装としての活躍が見込めるようになると思います。

 

かなり長い文章になってしまいました(艦艇解説より長くなるとは…)、ここまで読んで下さりありがとうございます。
次回は艦艇解説Audaciousにする予定です。