制空の部屋

空母の時代は終わった、競馬の時代だ

Warld of Warships T10空母所感~Midway編

WoWSブログ謎のブーム…この流れに乗るしかない!

※今回は少なくともツリーT10は全部書きます、投げだしません。
FDRもマルタモインメルも乗れないから。。。

 

名だたるアジアの空母乗りが個人的な空母論を書いているのをみて触発されました。
残念ながら筆者は彼らのPRには遠く及ばず、かといって低いとも言えない微妙なPRの人間です。特に与ダメは下から数えたほうが早い艦艇もチラホラ。

( ^ω^)・・・

このブログを読むということは↑↑↑のような建前とか説明は不要ですね!!!!

 

はい、というわけでシリーズ1筆目はHanamiya_Nagisa_prprの代名詞、アメリカ空母ツリーの到達点Midwayです。制空と言ったらやっぱりMidwayなんですよね。帝君爆撃~とか言ってた時期が懐かしい。

ようわからん人は下記リンクで具体的な攻撃の動画をどうぞ(ダイマ)。

www.nicovideo.jp

 

↓↓↓ここから急に真面目に語ります。

Midwayの総評

まず、Midwayは火力勝負を仕掛けるには少々難しい空母です。一方で盤面のコントロールはかなりやりやすいです(理由は後述)。母艦は硬いですが、いっても空母なのでタンクをすることは厳しいでしょう。序盤から中盤にかけて、基本的には敵の前線に対して中~遠距離、具体的には17~22km程度での交戦が望ましいです。終盤は戦況次第で10km程度まで前進することも可能でしょう。

Midwayの攻撃の優先度(プライオリティ)は、艦種でいえば
駆逐(対空弱)>>戦艦>駆逐(対空強)>軽巡重巡 (一部例外艦あり)

状況で整理すれば

①一中隊でキルが期待できる艦艇 ←最重要 
②敵でスポッターとなっている艦艇
③高威力魚雷を持った駆逐 ←②がわからない場合はこっちでいい
④(主にエリア島裏、マップ中央等の)キーポイントに在する艦艇
⑤ダメージ期待値の高い戦艦
⑥ダメージ期待値の高い巡洋艦

のようになると思います。
保有している残機にもよると思いますので、大まかには
攻撃機→①、②、③、⑤
雷撃機→①、④、⑤、⑥
爆撃機→①、②、③、④、⑤、⑥
と考えると試合中の空母として形になります。
爆撃万能だからと言って序盤から激しく使うと後半の場面で必要数に足りていないという場面が出てきます、④の場合には雷撃を優先するなど、運用面にも注意が必要です。

以下、これらの理由について兵装ごとに簡単にまとめていきます。

 

1.攻撃機(ロケット)
※筆者はHVARを使用しているため、ここで指すロケットはHVARを意味します。

上記はロケットの諸元ですが、注目すべきは貫通力:33mm です。
投擲数は通常で10×3の30発、散布界も比較的小さく小型艦にも一定のダメージを期待てきます。また、HVARは米空の2種のロケットの中でも貫通力は低いほうですが、HE弾としてはゲーム内において十分な貫通力です。

米空で対面空母と戦うためには、このロケットを問題なく扱えることこそ最も重要です。他国の空母でロケットを安定的に使用できる艦艇はそう多くありません。

偏差はおおよそですが
駆逐艦:船体0.5個分前~1.5個分前(ソ駆・仏駆等)
巡洋艦:艦首にレティクルが半分被る程度
・戦艦:巡洋艦と同じ~船体の1/4程度前目に取る。←巡洋より偏差大きめ

もちろん敵の姿勢・前後進状況次第ではありますが、全速の際の目安程度に。

 

そしてなにより敵の32mm装甲部分に当てることが最も重要となります。
上述した戦艦への偏差は仏・英戦艦には適用しなくても問題ありません。一方日本戦艦(天城除く)やアメリカ戦艦などは艦中央部分は34mm以上なのでこの部分への命中はダメージ期待値としては低く、上位構造物への貫通によるダメージ+火災のみとなります。しかしこれらの艦艇も艦種・艦尾は32mmであることがほとんどであるため、船体に対する貫通弾を見込めます。
上記は巡洋艦に対しても同様で、例えばソ重巡・英重巡などは中央部分が34mm以上であるため艦種艦尾を狙う方がダメージ期待値が高いです。(一般的に装甲厚が高い=機動性は低い)なので区画まで狙う余裕はあると思います。

ロケットはダメージ期待値を込めた偏差を取れれば、後述する雷撃・爆撃と同程度の有効性を発揮し、艦載機運用の幅を劇的に広げることでしょう。
下記は偏差の取り方による違いの一例です。

例:対大和(艦首32mm, 中央50mm)

↑敵大和はおそらく全速~3/4速で前進

偏差を船体中央に取ったところ、14/25貫通、ダメージは約5500な一方…

一回目の攻撃で減速したのでこのときの速力は1/4くらいだった

艦首狙いの偏差では15/22が貫通し、与ダメも9000となる。
実際には火災の期待値、区画耐久もあるが一般的に区画が残りやすいのは艦首側。

この例のように、当てる区画をしっかり考慮することで時には中央を狙う倍以上のダメージになります。

 

 

2.雷撃機

雷撃機は正直なところ、他国空母に比べ扱いは難しい兵装です。小隊の投下数こそ6本とゲーム内2位ではありますが、雷速が遅く照準の収縮も遅いため、回避行動を取る相手に対しての命中数は0~3本程度となります。
また機体の巡航速度も遅いため到達までに時間がかかり、DPMの観点から言えば決して積極的に使う兵装ではないと思います。

あくまで筆者の運用例ですが、修理班(通常:3回)が使用できるタイミングで、孤立した戦艦やフォーカスを受けている巡洋艦相手に狙いに行くことを意識しています。これは巡航速度の遅さを、命中数の期待値を高めることで補完する運用です。特にプライオリティ①の「キルを狙える相手」が駆逐艦でない場合に、そこが敵の密集地でない場合には積極的に使いたい兵装です。

偏差は

駆逐艦:狙わないほうが良い
巡洋艦:レティクル1.0~1.5個分前
・戦艦:レティクル0.7~1.2個分前

でとるとだいたい数本当たります。敵の速力や前・奥転舵で変化しますし、雷速の遅さ故に回避までに時間があるため全数命中は難しいと思います。一つの目標値として往復(6+6想定)で8本以上を当て切れるとよいでしょう。浸水率は可もなく不可もなくなので、ロケットや爆撃の後に向かうとダメージディーラとしての運用も可能です。(対空砲も破壊出来た後なのでなおよし)

雷撃機は一撃の重さこそあれどロケット・爆撃機の補完とした運用のほうが効果的でしょう。一方で戦艦を沈める場合には雷撃なしでの撃沈は難しく、攻撃のタイミングと相手を注意深く見極める必要がある兵装といえます。

技術的な観点から言えば、回避が他の兵装より容易であり、一撃が重たいということは姿勢の強制力はそれなりのものになります。味方の砲撃や雷撃とクロスを組むことで、どちらかを確実に命中させるなど、少しテクニカルな運用もできる兵装とも言えます。

一方で、運用の上で「往復できるかどうか」で有効性が変わってくるため、残機の管理はロケットよりもシビアになります。修理班を使用した場合でも対空艦が2隻以上存在するエリアでは生存性は担保されず、攻撃できた場合も帰投率は高くありません。
基本的に15分以上続く試合では雷撃機も3回以上の出撃が必要になってくるため、無理にキルを取りに行くことでかえって後半戦が苦しくなってしまうからです。
この辺は繊細で空母という艦種の難しさでもありますが、最低限の機数を残しつつ戦うことを心にとめておきましょう。

例・雷速の遅さと幅の広さを利用した十字雷撃

上記は最低6本の命中が見込めるうえに、孤立している艦艇を狙っているため損耗も激しくなく、攻撃期待値/生還率がかなり高いため理想的な攻撃と言えます。

例:島裏で待機している巡洋艦に対しての雷撃

上記は俗にいう島裏を剥がしに行く雷撃ですが、味方の雷撃と十字を組むことでより効力を上げています。またミニマップの通り航空雷撃を交わせば味方艦に側面を晒すことでチームとしての火力期待値を上げています。

 

3.爆撃機

爆撃機はゲーム中でも1,2の強力さを誇る兵装であり、またどんな場面でも一定の戦果を望めるミッドウェーの屋台骨です。復旧時間も比較的短く待機数も多いため、ある程度継続的な使用も可能です。
一方で爆撃が枯れたミッドウェーというのはかなり貧弱であり、特に対駆逐・軽巡に対する圧力がかかりません。最低限の機数を残すための空撃ちなども必要に応じて行うバランス感覚が求められます。
貫通力は67mmとかなり高く、一部空母の甲板や主砲装甲を除けば貫通可能です。HE爆なのでバイタル装甲が暴露していない限りバイタルには入りません。一方で攻撃の特性上ある程度は主砲へのヒットもあるため、実際の貫通率(≠命中率)は7割程度になります。
火災の期待値も非常に高く、係数等を考慮しても3発以上の命中をすれば(敵が工作班を使用中でなければ)ほぼほぼ火災は発生するとみてよいでしょう。

偏差についても、高度で多少の差はあれどディレイはそこまで大きくない(約1秒)ため、そこまで意識する必要はありません。一方で攻撃方向はとても重要であり、散布界が縦方向の楕円のため、可能な限り敵艦に対して軸線をそろえて攻撃する必要があります。
正直爆撃技術だけで一記事書けるレベルなので深くは掘り下げませんが、真横から侵入した場合の期待値は大型艦相手でも1~2発ですので、攻撃方向は常に意識する必要がありますし、敵の転舵についても読みが必要になります。
また、不慣れなうちは敵の進行方向後ろ側から攻撃を行うことを推奨します。
これは攻撃の最後の2秒ほどは前方向へのレティクルの移動量が大きく、後方からのアプローチは多少攻撃が遅れ気味であってもなんとか間に合うケースが多いためです。もちろん後方からの攻撃の場合相対速度が小さいため対空砲圏にとどまる時間が大きく、損耗が増えるのは事実です。
↓戦艦への偏差はこの程度、船体前半分にレティクルが収まるくらい


↓対駆逐の場合は船体1個分程度奥へ偏差する

 

↑上記のように、着弾の瞬間に敵船体が最もレティクルに収まると、複数命中が望める(この攻撃は2発命中)

また、戦艦など十分に船体幅がある艦艇の場合、最大収縮よりも少し拡散させ意図的に着弾をばらけさせた方が火災率が高まるという悪いこともできたりする。(わざと曲がりながら侵入してレティクルを収縮させない)

 

4.哨戒戦闘機

戦闘機は攻撃中隊の現在地を中心にアクション半径を一定時間周回し、敵航空機への攻撃および敵艦艇の偵察を行う。
余談だが、ここ最近は対潜哨戒機の登場でスポットが継続して行える環境ではないため、メインの利用は防空および下記に記すテクニカルなスポットとなる。

召喚後は一切操作が効かないものの、召喚から数秒間のみ意図的な操作が可能である。(詳しいことを書くと消されるかもしれない)
これを悪用利用して敵の意識外からのスポットや、島裏に潜む敵艦の先行偵察などを行うことが可能で、これは攻撃の確度を飛躍的に向上させるとこが可能である。

一応スポットの観点から言うと、敵の対空圏外且つ対潜哨戒機の射程外であれば継続的なスポットは可能であるが、現環境ではその機会が多くないためあくまで条件が揃えば程度です。
スポットのコツとしては味方駆逐艦から島裏にあたる部分、言い換えれば味方スポッターと敵を結ぶ直線からずらした位置でのスポットを意識するとよい。
味方艦が煙幕撃ちをしている相手や交戦中の駆逐艦に対する一時的なスポットも効果的に働くことが多く、この辺りは経験を積むことで体に馴染んでいかせることをお勧めいします。

 

以上がミッドウェイの兵装となります。最後にスキルとUG構成を記載します。

 

スロット3,4は上記のものを強く勧めます。
スロット5は航空管制改良or飛行中隊消耗品改良からのチョイスになると思いますが、基本的に攻撃機雷撃機爆撃機を満遍なく使用するため航空管制改良のほうが得られる効果が大きいです。
スロット6は固有UGを推奨しますが、保有していない場合は飛行機体改良2(ヘルスが伸びるほう)を推奨します。特UGは純粋に試合を通したダメージ効率と艦載機効率が改善されます。これは先述したどの場面でも爆撃が有効に働くためです。

艦長スキルについては
制空権、偵察機リーダー、航空機装甲、抗堪専門家が必須(9P)で、次に優先するものが強化型航空機装甲(4P)or照準安定化(3P)となります。16P以降は正直好みです。画像以外の選択肢としては爆撃機の飛行制御(4P)、火薬技術者(3P)、エンジン改良(2P)、強化型反応速度(4P)などが挙げられます。筆者のスキルはかなり制空に寄せていますので、火力を求めるのであれば強化型反応速度・偵察機リーダー・エンジンブースト改良(計7P)を外し、爆撃機の飛行制御と火薬技術者に振るとよいです。

 

ミッドウェイの解説は以上となります。

あくまで筆者の一意見ですが、ミッドウェイで2000戦以上の戦闘をこなしてきましたので、少なくとも現環境での解説としては参考にはなるのではないかと思います。
少しでもミッドウェイを使用する人が増えればと思います。(そのぶん駆逐の数は減りそう)

次回はおそらくナヒーモフかオーディシャスになります。
投げ出さないと言ったので年末か1月中には投稿します。

ここまでの長文お付き合い下さりありがとうございました、ではまた。

 

 

 

 

制空を構成する要素とは?

前回の記事で制空論の概略、制空型と火力型の構想の違いについての説明をしました。
本記事では一旦制空型・火力型の違いは置いておいて、制空に関する構成要素とその影響を述べていきます。

まずはじめに、筆者が考える制空の要素は下記のとおりです。

・水上艦の位置とヘルス
航空母艦の位置
・エリアの占領状況(通常戦を除く)
・哨戒戦闘機の有無とスキル構成

もっと細分化することも可能ですが、とっかかりとしては上記4つの性質の違いについて理解することが大事だと考えます。また、実際の戦場については上記の要素が互いに関係し複合的な考えをする必要がありますが、実戦のマップを使用した例については今後書いていく予定です。

各要素の解説の前に、読者の皆さんは「制空権」という単語を聞いたことはあるでしょうか。広辞苑では「領土・国家の権益を保護するため一定範囲の空中を支配する権力。主として空軍力による。」との記述があります。このゲームに落とし込むとすれば「艦載機が作戦遂行可能な空域を確保する力」でしょうか?
先述した4要素はまさにこの制空権を正方形のマップ上で確保する上で干渉しなければならない要素となっています。ではいかに具体的な内容を説明していきます。

 

・水上艦の位置とヘルス

これを第一に考える理由ですが、少し細分化すると3つの要素があり①対空砲火力の保有、②艦載機中隊の発見能力を有する、③継続的な砲戦火力の保有、と分けることができます。これ以上の細分化はここでは控えます。

①対空砲火力について:このゲームでは有効射程が決められており、継続ダメージについてはその艦艇を中心として半径内へ侵入したかどうかでパラメータが決定されます。一般的には短/中/長でそれぞれ作動する対空砲が設定されており、この合算値と消耗度、消耗品、UG等で最終的なダメージが産出されます。またこれとは別に対空砲が引き起こす爆発も存在し、これは爆発発生の中心からの艦載機の距離で関数的にダメージが決定されています。
詳しいダメージ量はどうでもいいのですが、対空砲を被弾する=艦載機が消耗するという図式はごく当然のことであり、長時間の滞留は撃墜、最終的には中隊の全滅に繋がります。哨戒戦闘機についても同様ですね。すなわち攻撃敢行の際のやむを得ない侵入を除けばできる限り空母プレイヤーとしてはこの敵艦の周囲を避けて艦載機を操作する必要性があります。言い換えれば、水上艦はその存在だけで味方に対する制空領域を形成できるわけです。つまり敵・味方それぞれの水上艦の位置はおおまかな制空領域の可視化とも取れますね。


②艦載機発見能力について:敵攻撃中隊および哨戒戦闘機についても水上艦より発見が可能です。一部例外を除いて艦載機の発見距離は10km(隠蔽UG込みで9km)ですので、攻撃を事前に察知する能力を有します。普通に空母をプレイしている分にはそこまで気にならないかもしれませんが、敵空母が防空の意識を有する場合にこの艦載機をどのタイミングで見られるかで反応時間が変わり、攻撃対象前に防空されるのか、あるいは往復攻撃の余裕まで生まれるかに繋がります。試合終盤なんかはこれも馬鹿になりません。


③継戦火力について:これはヘルスの残量によって大まかな対空砲の消耗度がわかるほか、その戦線を維持可能かということにもつながってきます。例えば対空砲が最強の性能だとして、常に被発見状態でヘルス残量も4桁となればその艦艇は後退せざるを得ず、結果的にその艦の制空領域は後退しますし、逆にヘルスが10万ある戦艦であれば多少対空砲が弱くても長時間の戦線の維持、ひいては制空領域の拡張も可能です。
また、水上艦の心理的にも残ヘルスが少ない状態での孤立というのは避けたいため、基本的に空母戦場での消耗は外周への展開やエリア占領の抑止にもつながります。うまくはまれば敵が密集するため互いの制空領域が被り、艦載機の自由度が上がります。(攻撃を通しにくいというのはまた別の話)

上記のように、水上艦の状態というのは艦載機の自由度に大きく影響し、またマップ上で可視化もできるためかなり比重が大きいものとなります。試合終盤や少数マッチで空母の影響力が大きくなるのも、この要素に依るところが大きいかと思います。

 

航空母艦の位置

航空母艦に関しては先述した他の水上艦と同様に対空砲火力と艦載機発見能力を保有しています。ただ他の艦艇と異なるのは「能動的に哨戒戦闘機を呼び出すことができる攻撃中隊を発艦可能」という点です。
実戦で考えますと、空母が残ヘルス5000の味方艦艇を守るとした場合に、その母艦からの距離が10キロの場合と30キロの場合では敵の攻撃に対してのリアクションを行う時間的余裕が違うことは理解できると思います。戦闘機で護られた艦艇への攻撃はそれなりの艦載機消耗を伴わせる、または事前の抑止につながるため距離感を適切に保つことで防空が効果的に機能します。逆に、瀕死の敵艦艇(味方水上艦からの砲撃が届かない)場合の撃沈の可能性についても影響します。前述の逆で、回復が入る前に落とし切るための攻撃敢行への時間もそうですし、何よりDPMの向上につながります。
このように攻守両面において、航空母艦の位置取りは制空領域の確保に影響します。試合終盤において手慣れのプレイヤーほど母艦を前進させるのは、先述した空母の影響力が相対的に上がり、また被弾リスクも減少することで前進させ制空領域を拡張することのメリットが勝ると判断しているからです。

 

・エリアの占領状況

占領エリアというのは対空が強まるわけでもなければ艦載機が見られるということもないのですが、制空を語る上では欠かせない要素の一つです。
理由は次の二つで①基本的に駆逐の大多数は序盤に占領エリアへの侵入を試みる傾向にある、②中立状態、または味方が占領済みのエリアに敵駆逐が侵入した場合にそのタイミングが視覚的に分かる という2点です。

まず、①ですが、試合開始とともに駆逐艦はエリアに向かうことがほとんどだと思います。(例外ももちろん存在しますが)試合序盤においては行動に各艦艇の役割という固定観念が枷となる場合が多く、その結果敵との接敵タイミングを予測することが容易になっています。空母の場合は艦載機の被発見状態も利用することで、エリアに接近する駆逐艦の位置を点で特定することができてしまいます。
②について、敵が占領エリアに踏み入ったタイミングが可視化できるということは、その時点でエリア端のどこかに存在しているということの証明であり、通常時に比べ発見が容易であるということです。

上記2点から空母としては、占領エリアについて中立状態または味方の占領状態を可能な限り維持することが索敵および制空、特に対駆逐に対して有効となります。エリアの状況については味方との共有も可能なため、高ティアでは発見レーダーなどの消耗品による発見も望めるため、その配置に到達できない初動での艦載機による中立維持・占領達成は特に重要となります。

 

・哨戒戦闘機の有無とスキル構成

哨戒戦闘機については①攻撃中隊より召喚される、②航空母艦より自衛のために発艦する、の2通りが存在しますがここでは①について論じていきます。
まず先述しましたが、敵哨戒戦闘機が飛行している領域での攻撃については多くの損耗が伴います。哨戒戦闘機の使用ですが、T10の場合標準でアクション半径3.5km、反応時間6秒、召喚時間6秒+動作時間84秒という性能になっています。反応時間は敵航空機がアクション半径内にその時間留まった場合に、戦闘機が迎撃態勢に入るための必要時間となります。
この仕様から、通常の場合には敵の艦載機攻撃を察知した場合に、最低でも召喚時間+反応時間の12秒を要することになります。スキルをとっても11秒が最短です。(超空母除く)すなわち防空の観点から言えば敵に対し先手を取る必要があり、基本的に空母戦は攻撃側有利ということです。ただ、いったん召喚した領域については、攻撃までの必要時間を考慮すれば敵艦載機の消耗の期待度は非常に高いものとなります。
哨戒戦闘機に関与するスキルとしては、実用的なものとしては2ptの「偵察機リーダー」(回数+1回)、4ptの「強化型反応速度」(召喚時間+50%、反応時間-80%、動作時間+25%)、そしてUG5スロットの「艦載機消耗品改良」(動作時間+50%)となります。フルで強化すれば3×4回の紹介戦闘機を動作時間112.5秒で展開することができ、振り切ればスポット・防空の両面でかなりの時間効果を発揮することが可能になります。特に防空面を考慮した場合、敵艦載機の消耗だけを考えるのであれば取得の必要はありませんが、攻撃前での撃墜を狙う場合には取得をする必要性が高いものです。初動の戦闘機召喚でスキルの有無を判断することで、敵の戦闘機への意識を計ることもできるため、可能であれば初動で観察しておきたいところです。これを知ることができれば、自分が制空に対してどの程度のリソースを割くべきか判断できます。

 

以上4点が、制空を構成する要素とその大まかな内容です。最初にも述べましたが実際の戦場ではこれらが複合的に関与するため、戦況を観察しつつ行動を判断する必要があります。不慣れな方は特に①と③を意識すると、とっかかりとしてはよいと思います。

少し長い記事になりましたし、何日かに分けて書いたのでよくまとまっていませんが今回はここまでとします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

WoWS - 航空母艦(v0.8.0~)の制空論

 

筆者について

はじめまして、と言いたいところですがこのページを見に来たということは私のことを知っている方でしょう。

着想から早2年、普段Twitterで制空制空言っておきながら、具体的に説明したのはdiscordのVCくらいなもので、ここらできちんとまとめておこうと思った次第です。

今回より不定期更新で航空母艦の現環境におけるランダム戦の制空論について、各要素について自分なりの考えを書き連ねていこうと思います。とはいっても誰かに推敲してもらったわけでもなく正しいという保証もないですし一般空母の戯言とでも思って読んでいってください。

 

長い記事読みたくない人向け

第1回の本記事では、「制空論」の概略を見ていきます。

 

ランダム戦における空母という艦種の特殊性について

さて、多くのWoWSプレイヤーにとって航空母艦(以下、空母)という存在は「嫌なタイミングでスポットをつけてくる厄介な存在」「一方的に殴ってくる通報の対象」だと思います。また非空母プレイヤー、メインとして空母を操作しないプレイヤーからすればその運用というのはイマイチピンと来ないところがあるかもしれません。このゲームにおいてよく用いられる指標としてはWR(勝率:%)、PR(評価値)、Avg.damage(平均与ダメ)、Avg.flg(平均撃沈数)などが挙げられます。艦隊の主火力である戦艦であればAvg.damageやWRを、索敵を得意とし生存性に難のある駆逐であればWRやPR(K/Dが関与するため)が大まかな指標ですが、空母の場合まともに見れるのはWRくらいなもので、スコアとしての強さが定量化できません。

原因としは、空母ユーザーの絶対数の少なさ(他艦種と比較して)のためにそもそも平均値が信頼に欠ける、初心者の場合そもそも他艦種と操作が異なるため以上に低い戦果を出しやすい、そして環境の影響を一番受けやすい艦種であるなどが挙げられます。特にAvg.damageに関しては度重なる調整によって実装当時と別艦艇のようになった空母も数知れず存在します。(忌まわしき刷新直後の記憶)
そして、何よりの問題点は「空母」という艦種の、ランダム戦における特殊性です。水上艦は基本的にリスポーンのサイドを主軸とし、マップの3割~6割程度が影響力を有効に出せる範囲です。しかし空母は戦闘開始のその瞬間から盤面全体に干渉できる艦種でありそれは敵の空母もまた然り、つまり「局所として、敵の水上艦(場合によっては複数と)」の勝負と「敵空母との盤面争い」の2局面を並行して戦う必要があります。このマルチタスク性こそが、空母が特殊な艦種として認識される主要因ではないでしょうか。

 

さて、少し具体的な話になりますが、現環境の空母は主に「火力型」と「制空型」に大別できると考えられます。艦艇によって得意不得意はありますが、基本的にはプレイヤー依存です。火力型と制空型の思想の違いは、以下の手順の差に起因します。

 

・火力型

序盤より敵の主力艦の耐久を削り前線から遠ざける

→敵駆逐・敵巡洋の戦線が上がりづらくなり、また味方艦隊のラインが上がりやすくなる

→迅速に局地優位を獲得し、別方面が持久戦を行っている間にクロスファイアによる有効火力差を生じさせ、マップ全体での耐久差につなげる

敵艦隊の押し下げにより殲滅、あるいは耐久差を起因としてエリアの優位を生み出して点数優勢による勝利

・制空型

序盤より敵と味方の駆逐の耐久差を生み出し、敵駆逐にリスクを背負わせる

→駆逐有利によるスポットの安定と、航空支援によってエリア優位を常に維持

→逆転のために敵が前進、こちらは視界安定の中で体勢有利での砲戦を実施

視界差とエリア優勢の維持によって点数差を広げ勝利

 

結構ガバガバですがざっとこんなところでしょうか?

勘違いしてはいけないのは「火力型だからとにかく火力を出せればよい」「制空型だから駆逐を殴っていればよい」と10:0の思考を持ってはいけません。どんなスタイルであろうとも、あくまでお互いを最低限行ったうえで、残りのリソースをどう割り振るかです。(例:100のリソースを火力・制空を共に20ずつは使用し、残りはやりたい方に振る)

 

 

制空論とは、上記のうち制空型についての運用思想と影響する要素についての理解度を深め、盤面において常に最適化された選択を取り続けるための理論です。

 

 

 

 

本記事の最後に制空型の個人的メリット・デメリットを書いておくので、お好きなほうを選んでください。

「うるせぇ、俺は火力ヒャッハーしたいんだ!」
「難しいことはようわからんから戦艦乗るわ!」

という人はさようなら。

 

制空型のメリット

・とにかく勝率が安定、50戦スパンで見れば分隊平均勝率+10%は堅い。
・敵味方を比較して平均戦績が優勢なMMの場合、まず取りこぼさない。
・敵空母がやり手でも制空するので対面空母の影響力は下げられる
・視界がとにかく安定するので分隊員からウケが良い

 

制空型のデメリット

・与ダメが基本的に低くなるので戦績上見映えが悪い。
・火力で無理やり押し返すのは苦手、かなり差のある不利マッチはきつい。
・駆逐戦力への依存度が大きく、敵にユニカム駆逐多数だとしんどい。
・艦載機管理が結構シビアになる(スキルを制空に振るため)

 

次回は制空の構成要素について、2月中に更新予定です。